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眠りが浅くて、イヤな夢ばかりみてしまう。よくこんなセリフを聞きますが、実は覚えていないだけ。寝ているとき、いつも私たちは夢をみています。知ってました?

そもそも睡眠には、レム睡眠(浅い眠り)とノンレム睡眠(深い眠り)の質的に異なる2つ睡眠段階があり、私たちは一晩のうちに90~120分周期で両者を交互に繰り返しています。十分に脳と身体を休めるためには、どちらか一方の時間が長ければいいというわけではなく、バランスが取れていることが重要です。そして、未だ解明されてはいませんが、現段階で私たちが目覚めたとき覚えている夢は、記憶の整理や定着を行うレム睡眠中にみたものとされています。

さて、話を戻します。“夢を覚えていること”=“睡眠の質が悪いわけではない”とするなら、少年のピュアな気持ちが蘇ってきませんか? 学生のころ憧れていたアイドルとディナーしたり、のんびり海の上を飛んでいたり。夢のなかでしか叶わない世界に心が躍るはず。もし望んだ夢を見られたら、眠るのも起きるのも楽しくなりそう。

今回登場するのは、そんな夢物語の実現に挑戦したビギニンです。約22万人のデータに基づいて、夢をコントロールする睡眠用しゃぼん玉ランプを仲間と一緒に開発。頭のもみほぐし専門店「悟空のきもち」のセラピスト、磯貝さんにお話を伺いました。

今回のビギニン

悟空のきもち 睡眠用しゃぼん玉 開発メンバー
磯貝 麻里さん

岐阜県出身。2017年入社。頭のもみほぐしのプロとして現場で活躍する傍ら、手技の講師や商品開発にも携わる。得意なもみほぐしスタイルは早落とし。揉みほぐす強さとリズムを研究し、施術を始めた直後に被術者を眠りの世界に誘う。睡眠に対してのモットーは、「眠くなったら、我慢をしない」。

idea:
年間13万人を眠らせて「睡眠のスペシャリスト」に

まず紹介したいのが、磯貝さんが勤める「悟空のきもち」について。2008年に創業、本店があるのは京都です。そのサービスは「ヘッドマイスター資格」をもつセラピストが、頭を癒すために考案された21の手技をベースに施す頭のもみほぐし。「一気に寝落ちする」、「目に透明感が生まれた」、「寝つきが格段によくなった」など満足度の高い口コミが広がり、テレビや雑誌からも引っ張りだこの状態です。

国内にある5つの直営店では現在どの店舗も3か月満席。キャンセル待ちは、全店合計で68万5000人近くいます。一度体験するとリピートする人がほとんどで、新規予約枠は発売後なんと約1分で埋まってしまうんだとか。「悟空のきもち」は、年間13万人を気持ちのいい眠りに導いています。

ちなみに、店名の由来は孫悟空の頭に付けられた“緊箍児(きんこじ)”というリング。三蔵法師が呪文を唱えると円周が小さくなり頭を締めつけます。もうおわかりですよね? 「悟空のきもち」は、まるで頭から緊箍児が外れたときの孫悟空の気持ちを体験できる、頭のもみほぐし専門店を目指してオープンしたというわけです。

チャイナ風の施術着がよく似合う磯貝さん。もともと地元の岐阜でもリラクゼーション業界で働いていました。自分の成長のために新しいことにチャレンジしたいと思っていたところ、「悟空のきもち」をテレビ番組で知り、セラピストの技術と向上心の高さに圧倒されたんだそう。ここで働けるなら、上京も厭わない。転職を決意して、この業界に足を踏み入れます。

「悟空のきもち」のユニークなのは、専門の部署や管理職が設けられていない会社の運営方針。新規事業や商品の開発は、現場で働くセラピスト発信で生まれます。挙手制なので、もちろん施術のみに没頭してもいい。活躍の場が広く設けられているところも、磯貝さんの背中を押した理由です。

「店舗やフロアによって内装がガラリと違うのも悟空の特徴です。お客さまには術後アンケートに答えていただいているのですが、環境によって出現する夢の種類も全く違うんですよ」。

trigger:
22万人の睡眠データを検証

データの検証に乗り出すきっかけとなったのは、シングルマザーのセラピストが何気なく放った一言。「しゃぼん玉あそびをした日は、子どもの寝つきがいい」。セラピスト仲間で昼休憩をとっているときのラフな会話から、「悟空のきもち」の商品開発はいつも動き始めます。

「それって大人も同じじゃない?って話に(笑)。アンケートのなかには、悪夢をみたという回答もたまにあって。シャボン玉を使って、少しでも出現確率を減らせたらいいなって思ったんです」。

思い立ったら吉日。まずは被術者にしゃぼん玉の写真やイラストを見てから寝てもらい、その効果を検証することに。すると、悪夢の出現率が格段に減少。しゃぼん玉が良質な睡眠の助けになると、実験を通して証明されました。一説によると、人の不安を取り除く心理的な効果がしゃぼん玉にはあるんだとか。

寝落ち体験をした人から集める膨大なデータは、どれほど優秀な教授の研究論文よりも確か。外的要因によって夢の方向性に違いが出ること。しゃぼん玉が悪夢の出現率を減らすこと。被術者のリアルな声から2つの傾向を導き出した磯貝さんの頭の中に、ある可能性が浮かび上がります。

「夢をコントロールできるかもしれない」。

“就寝前に見る色”や“部屋に漂う香り”が夢の種類に影響を及ぼすことは、すでにこれまでのアンケート結果の分析で判明。仮説を立証するために必要だったのは、みたい夢に近づけるための一番いい色と香りの組み合わせでした。

「さまざまなパターンを試した、合計22万人にも及ぶ睡眠データを検証しました」。

施術する部屋のライトの色は、全ての店舗、各フロアで変更できるので、実験では被術者の希望に合わせて磯貝さんたちが調整できます。ただ、香りの調合は調香師さん頼み。匂いが弱いと効果が現れないし、逆に強いと快適な眠りの妨げになる。そのため、絶妙なバランスを見つけるのに苦労したんだとか。

調香師さんにとっても、夢をみるための匂いづくりは前代未聞。とにかく試して仮説を立てて、また試すを繰り返しました。

「香りの調合に時間がかかるのは想定内のことですし、ちゃんと反応が出るので個人的に苦痛ではありませんでした」と、磯貝さんはにっこり。アンケートを取り続けることで、“夢をみせられるセラピスト”と“夢をみせられないセラピスト”で施術の方法に違いがあるのもわかってきたんだそう。

「一番苦労したのは、実はしゃぼん玉製造機の方で。アイデアを伝えては、工場の職人さんに断られてばっか。開発から逃げ出したいと何度も思いました(笑)」

後編:望んだ夢をみられるシャボン玉づくりを後悔 に続く

睡眠用しゃぼん玉
悪夢を見にくくさせる、魔法のランプ型しゃぼん玉製造機。専用カートリッジを本体に差し込んで使用すれば、希望の夢をみられる確率が高まり、楽しい睡眠生活に。使用方法は寝る前に電源を押し、しゃぼん玉を見ながら眠りにつくだけ。電源は就寝中に自動的に切れるので安心だ。夢選択カートリッジは1パッケージで約20日分入り。しゃぼん液もカートリッジに付属する。本体1万3800円。夢カートリッジ1400円。本体1万3800円。夢カートリッジ1400円。

(問)悟空のきもち
https://goku-nokimochi.com/shabon.html

※表示価格は税込


写真/丸益巧紀(BOIL) 文/妹尾龍都

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