マウンテンマーシャルアーツ 渋井勇一さんをめぐる、これからのシン・スタンダードとは #067
「車庫の肥やしになっていた愛車が街乗りカスタムで復活!」
マウンテンマーシャルアーツ ディレクター 渋井勇一さん
移動は自転車、ということがコロナ禍でだいぶ増えました。話せば長くなるのですが、僕にとって、自転車=モールトン一択だった時期があって。
入手したのは1999年。入籍の記念にもう一つの長い付き合いをと思い切りました。元々はランドローバーとのコラボで、タイヤはオフロード仕様。黄色好き、ランドローバー好きの自分にぴったりでした。
それなりに乗った後、環境の変化でしばらく車庫の肥やしに。それを思い出して引っ張り出したのが2年前。オフロード仕様で少々重かったため、シティコミューター仕様にカスタムしたのが今の姿です。
ギアやブレーキなどのコンポーネントを軽量なシマノのロードバイク用に変更し、ビルの中にも運び込めるように。シートポストやペダルは黒で統一。アップデートされた見た目も大満足です。
モールトンに憧れたのは、完全にビギンの影響です(笑)。巷のバイクとは大きく違う独自の哲学でデザインされているのに、当時の最速記録も持っていたという触れ込みで。思い切って購入を決めた一台でしたけど、心底ホレた“いいモノ”を選んで本当によかった。
こうして手をかけてあげればまた出番が広がる。ガチなスピード仕様にも、山にハマったら山仕様にもカスタムできる。時代や趣味嗜好に合わせて付き合い方が変えられるなんて、デザイナーとしても目指したいところです。
Alex Moulton[アレックス モールトン]
APB カスタマイズ
ベースとなったライセンスモデルの車体APBは既に廃番となっており、現行はTSRシリーズに引き継がれている。カスタムは銀座の「ベロスタイルチケット」に預け、トータルで約15万円。(ベロスタイルチケット)
マウンテンマーシャルアーツ ディレクター
渋井勇一(しぶいゆういち)
1967年生まれ。ユナイテッドアローズでグラフィックデザイナーとして活躍した後、独立。トレイルランニング好きが高じて、2012年にスタイルのあるアクティビティウェアを得意とするMMAをスタート。
[ビギン2022年8月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。