海のF1がモチーフ。エドックスの圧倒的にシックなマリンブルーモデル

秀逸な色使いによる大胆、かつ上品なシャープ顔モデルです

なんともさわやかなマリンブルーの文字盤と、艶やかなハイセラミックブラックのベゼルという意外性たっぷりのカラーコンビネーションが新鮮に感じ、今までに見たこともない、この色使いが気になって、今回、この時計を紹介することにしました。

スイスの名門時計ブランド、エドックス（EDOX／1884年創業）の「クロノオフショア1（CHRONOFFSHORE-1）」は、パワーボートの迫力ある世界観を表現するハイスペックウォッチのコレクションです。パワーボートとは、エンジンのみを動力源とするボートの総称。広義ではプレジャーボートや高出力の釣り船などもこれに含まれますが、一般的には空気抵抗性が低く、水上滑走性や重量出力比が高い船体構造の高速モーターボートのことを指します。日本ではあまりなじみがないのですが、米国や地中海などではこうしたボートによるレースが盛んで、なかでも最高速度が時速200kmにも達するという最上級クラス「オフショアクラス」は「海のF1」などと称されています。

この「オフショアクラス」に由来するコレクション名を冠する「クロノオフショア1」には、多種多様なモデルが存在しています。カテゴリーでは自動巻き式三針、自動巻き式クロノグラフ、クォーツ式クロノグラフに大別でき、一部のモデルを除くほぼ全モデルが、1時にのみ大ぶりのアラビアンインデックス（他はバーインデックス）が配置されたユニークな文字盤デザインを共通のものにしています。ちなみに「なぜ1時のみか？」というと、これはチャンピオンナンバーを表しているものだそうです。

去る7月1日に発売されたばかりの「クロノオフショア1」の新作は、クォーツ式クロノグラフのニューカラー。前述した文字盤のすがすがしいマリンブルーは、パワーボートレースの舞台である海からインスピレーションを得たカラーで、文字盤の中心部に向かって明度を上げる諧調は、陽光を映し出す海面の美しい輝きを表現したものです。また、分針、スモールセコンド秒針、30分積算計と12時間積算計の針、クロノグラフ秒針のアクセントカラーにヴィヴィッドオレンジを導入。文字盤のブルーと補色対比の関係であるオレンジのカラーリングも鮮やかで、ワイドタイプのアロー針と相まってデザインにインパクトをもたせつつ、視認性を高める働きもしています。

さらに特筆すべきが、その清涼感ある文字盤をクッキリと縁取りながら、艶やかに際立つハイテクセラミックベゼルのブラックです。このセラミックベゼルは「クロノオフショア1」のいくつかの既存モデルにも採用されてきましたが、本モデルではあえて、それを漆黒にすることで光沢感をさらに強調。しかもマリンブルーと組み合わせるという、普通では「ありえない！」大胆なハイコントラストのカラーコンビネーションにすることで、鋭く切れ味のある、しかし優美で品のあるたたずまいを創り出しているのです。

エドックスのラインナップを見ると、デザインの良さはさることながら、「色使いが巧みなブランドだな」と印象をもちます。それらのなかには、とても大胆なカラーリングのものもあって目を楽しませてくれるのですが、とりわけ美しく、かつインパクトのある、この新作の色使いはじつに秀逸。品格を失することなく個性を添えて、手元を主張できる、そんな時計をお探しの方にぜひともオススメしたいモデルです。

海の神秘性をも感じさせる文字盤のマリンブルーと、サファイアと同等の硬度をもち、耐傷性にすぐれたハイテクセラミックベゼルのブラックが絶妙マッチ。ファッショナブルでありながら、じつは100気圧防水（1000m防水相当）というハイスペックを搭載する本格プロフェッシュナルダイバーズでもある。

裏ブタに、パワーボートの最重要パーツのひとつであるプロペラのモチーフを刻印。これは単にデザインに留まらず、腕への不快な密着を防ぐのにもひと役買っている。また、ケース側面の9時側（写真上では右端）に設けられているのは、飽和潜水における減圧時、ケース内に溜まっているヘリウムガスを外部に排出させるためのオートヘリウムエスケープバルブ。この機能もあって、本モデルは100気圧防水という超絶スペックを獲得している。

問い合わせ先／GMインターナショナル　☎ 03-5828-9080
https://www.edox.jp/

※表示価格は税込

文/山田純貴