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JEAN ROUSSEAU ジャン・ルソーのアルカンターラ時計ベルト

人造スエード「アルカンターラ」は、じつは超スゴイ素材なのです!

プレシャスレザーアイテムのマニュファクチュール、ジャン・ルソー(JEAN ROUSSEAU/1954年、仏・ブザンソンで創業)といえば、その時計ストラップがヨーロッパの名だたる高級時計ブランドによって採用され、日本でも時計通たちの間でおなじみの高級メゾンです。それゆえ、同社が取り扱う素材は厳選極めたトップグレードのレザーのみ。と、そんな時計ストラップの名門が2022年7月、伊・アルカンターラ社の人造スエード、その名も「アルカンターラ(Alcantara)」を表材に使用した時計ベルトの販売&オーダーメイドをスタートするというのですから、これはビックリ情報です。

「アルカンターラ」は各種の服飾、アクセサリー、高級鞄の内装、家電、船舶の内装などさまざまな分野で幅広く利用されているのですが、じつは高級車ファンにはとくに知られた素材です。メルセデスベンツ、BMW、フェラーリ、ランボルギーニ、ランチアなどそうそうたる高級車メーカーが、シートカバーやフロントパネル、ドアパネルなどの内装生地として使用しているからです。

というのも、ポリエステル約68%×ポリウレタン約32%からなる、この合成皮革は風合いが、区別しにくいほどリアルスエードに似ているばかりか、本革にはないすぐれた特長があるのです。第一に、水濡れに強く、防汚性が高く、汚れてもケアが容易。引っ掻き傷などに対しての耐性も高く、合皮でありながら難燃性も備わっています。また、耐光性や耐久性にもすぐれており、ゆえに一般的な合皮にありがちな、劣化によるヒビ割れや剥離が起きにくいのです。さらにはしなやかで、通気性も備え、かつ発色性にもすぐれ……。と、これはもう、高級車メーカーがこぞって採用しているのも納得ですね? しかも、近年ではサスティナビリティの面からも動物由来のリアルレザーに比してイメージがいいということで、改めて注目されております。

ところで、この「アルカンターラ」。じつは誕生の地は日本なのです。1970年、科学者の岡本三宣氏が発明し、製造法の特許を取得。1972年には日本の東レとイタリアのANICグループ(後のENIグループ)が、その特許の商業利用を目的に合弁会社のアントロ(ANTORO)社をミラノで設立しました。そして同社は、翌年にイガント(IGANT)社に、1981年にアルカンターラ社に社名変更。1995年には資本比率が東レ70%×三井グループ30%となりました。

1979年に室内家具への利用が始まり、1984年、イタリア車ランチアの内装に採用されたのを機に、欧州などの自動車メーカーが次々と、この生地を導入するようになっていきました。ちなみに、この生地はイタリアと日本のそれぞれで生産されており、「アルカンターラ」はイタリア製。一方、日本にて製造したものはながらく「エクセーヌ」の名で販売されていましたが、2013年以降は「ウルトラスエード」という名称に統一されています。

ということで、日本と縁の深い「アルカンターラ」が、そこいらの合皮とはひと味もふた味も違う、スゴイ素材であることがおわかりいただけたかと思います。だからこそ、ジャン・ルソーも今回、自信をもって、この素材を取り入れたのですね。「なんだよ、合皮かよ~」なんて思ってはイケマセン。

ところで、ジャン・ルソーが採用する「アルカンターラ」は全11色。いずれもが鮮やかな発色で、繊細な素材感とあいまって、手元&愛用時計の品格を高めてくれます。また、ストラップのデザインは一般的なピンバックル付きタイプのほか、NATO仕様のミリタリータイプもご用意(トップ写真を参照のこと)。既製品に加え、サイズやステッチカラー、裏材(シャークレザーやアリゲーターレザーでオーダーも可!)などを選んでオーダーもできます。そして製作はジャン・ルソーの熟練職人の手仕事によるもの。素材のみならず、仕立ても最上級なのは言うまでもありません!

JEAN ROUSSEAU ジャン・ルソーのアルカンターラ時計ベルト

「アルカンターラ」の風合いは、毛足短めのカーフスエード、あいはヌバックを思わせる繊細で、気品あるもの。ビロードのような柔らかいタッチ感も極上だ。ちなみにケアは簡単で、柔らかいブラシ、または乾いた布でホコリを除去したのち、軽く湿らせた無地の白いコットン布で汚れを拭き取るだけ。汚れが気になるときは、水をよく絞った布かスポンジで、水分が染み込まぬよう気をつけながら全体を拭いたのち、一晩乾燥させてから、柔らかいブラシでやさしくブラッシングを。

ジャン・ルソーの
「アルカンターラ時計ベルト」

タイプ:ピンバックルタイプ、またはミリタリータイプ(NATO仕様)
表材:アルカンターラ
裏材:カーフ、ラバーカーフ、シャーク、アリゲーターなど
カラー:ブラック、ライトグレー、ホワイト、グレーダークブラウン、ライトブラウン、レッド、オレンジレッド、オレンジ、ネイビー、エレクトリックブルー、ライトイエロー
価格:既成品(ベルト幅20㎜)1万8700円/オーダーメイド2万5300円~
オーダーメイド製作期間:10週間~ ※オーダー状況により、納期の変更あり。
オーダー受付開始期:2022年7月~
販売&オーダー受付:アトリエ ジャン・ルソー銀座

問い合わせ先/アトリエ ジャン・ルソー ☎ 03-6280-6721
https://www.jean-rousseau.com/ja/

※表示価格は税込


文/山田純貴

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