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世界のファッションシーンに影響を与える“TOKYO”を牽引してきた4ブランドのデザイナーにインタビュー。毎冬登場する魅力的なアウターの中でも、ブランドの真髄が凝縮された“伝説の一着”とは?

 

ストレンジャー フーデッドコート

ポリエステルツイルを製品染めで仕上げた意欲作。ファスナーなどのパーツは高温の染色では破損するので、染色後に付属するため手間がかかる。リバティプリントのスレーキは綿なので、オリーブに染まらず鮮やかな表情をキープする。6万8000円。
 

化繊素材を製品染めでヴィンテージ風合いに

DESIGNER TAKAYUKI FUJII

機能性を全面的に打ち出しているわけではないのに、着心地抜群。パッと見何の仕掛けもなさそうなのに、袖を通せば他にはない美シルエットに。コレクションを行っていないにもかかわらず、米国や欧州など海外でも評価が高いノンネイティブ。“普通なのに普通じゃない”このブランドの魅力が凝縮されているのが、形や素材を変えながら作り続けているモッズコート(今季はマウンパデザインをMIXしたパーカタイプ)だ。

「ミリタリーアウターのなかでもクラシックな素材感のあるモッズタイプが一番好き。ヴィンテージベースですが、タウンユースに必要ないものは削ぎ落としています。最も試行錯誤したのが立体感あるシルエット。包み込まれるような着心地にするべく身頃脇や袖を3枚ハギにするなど、パッと見わからない箇所にこそ、手間のかかるアレンジを入れているんです」

さらに、今季の新作では製品染めでヴィンテージ感を表現。ストレッチ性のあるポリエステルを後染めするという離れワザで、風合いと機能を両立させているんです。

ポリエステルツイルの製品染め自体がほぼ前例がなく、できる工場も数少ない。実際にB品も多く出ました(苦笑)が、最終的には奥行きのあるヴィンテージサテンのような風合いに落ち着きました。とても満足のいく仕上がりです」

機能的であっても“機能的に見せない”服こそ理想と語る藤井さん。このアウターの真価は、袖を通してみればわかるはずだ。

 

もっと深く知るための用語解説

モッズコート

フィッシュテールが特徴のモッズコート
フィッシュテールが特徴のモッズコート

出自は米陸軍が極寒防寒衣料として採用した野戦用コート。サープラスが大量に流通した英国で、モッズがスーツの上に羽織って愛用。モッズパーカ、モッズコートという通称が浸透した。後ろの裾の切れ込みからフィッシュテールパーカとも呼ばれる。写真は藤井さん私物。

 

立体感あるシルエット

立体感あるシルエット

袖と身頃脇に一枚多く“ハギ”を設け、丸みのある立体的なパターンを採用。美シルエットに加え、快適な着心地も備える。右の写真は、今季のパーカのネイビーを着用したイメージ。

 

ポリエステルツイルの製品染め

生地の段階ではなく、製品の状態で染色する手法。コットンなどの染色では一般的だが、ポリエステルツイルの製品染めは技術的に難易度が高い。日本国内でもこれができる工場自体、稀少だという。

 

nonnative DESIGNER TAKAYUKI FUJIInonnative デザイナー 藤井 隆行さん
1976年生まれ。ビームスやサイラス勤務を経て、2001年、ノンネイティブのデザイナーに就任。海外ブランドとの協業も多く、ここ最近はブルックリン発のショップ、ピルグリムサーフ+サプライとのコラボでも話題に。

 

(問)ベンダー
TEL.03-6452-3072
http://nonnative.com/

 

※表示価格は税抜き


[ビギン2018年1月号の記事を再構成]
写真/竹内一将、中田昌孝(STUH) 大志摩 徹 三浦伸一 吉岡教雄 武蔵俊介 久保田彩子 文/秦 大輔 押条良太(押条事務所) 礒村真介 桐田政隆 宮嶋将良(POW-DER) トロピカル松村)

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