糸一本にこだわり抜いた一着は単なるファッションを超えたパッションだ
素材がすごいというのは、機能に優れるだけではありません。ここでは糸一本から情熱を注いだ、比類なきテキスタイルにフォーカス。素材の存在感だけでトレンドをも超越するような、価値ある一着に刮目してください。
とことん黒にこだわった史上初の黒毛裏毛
ループウィラーを長いこと見てきたビギンですが、ウールウィラーに黒とは盲点でした。表のウール糸と裏の綿糸をともに黒とした初の漆黒裏毛。表に杢感が一切なくモードな印象なのは、まさに裏をかいたイトってわけですね。
ループウィラー フォー ロウワーケースのウールウィラー
通常、裏地は表地の色に関係なく、白になる。本作はタグも黒にして、一段と上品に。クルーネック2万3000円、パーカ2万9000円。
裏毛はもち、糸の間から覗くスキマまでぜ~んぶ真っ黒!
(問)エディフィス 渋谷
TEL.03-3400-2931
http://edifice.baycrews.co.jp/
バタ臭さと無縁の一枚はカシミアが一役買っていた
ネルシャツでも糸一本から凝り出せば、こうも変わるのか!と驚かされます。コットンにカシミアを混紡したフランネルは、滑らかで肌に馴染むような絶品タッチ。仕立てた一枚の品格は、もはや “アメカジ”とは思えません。
フィンガーフォックスアンドシャツのネルシャツ
2枚袖とコンパクトな肩回りの独自パターンにより、着痩せ効果を生む定番の「ポインター」。素材の上品さに加え、小衿ボタンダウンカラーも品のよさをアシスト。2万6000円。
うっすら起毛させ、季節感ある温もりと柔らかさも表現
(問)FINGER FOX AND SHIRTS 代官山本店
TEL.03-6416-1332
http://www.fingerfoxandshirts.com/
プリマロフトを糸として使うというなんたる荒技
長年の密な関係あってこそでしょう。この生地、なんと高機能中綿のプリマロフトを糸としてウールに混紡し、編み立てたニットを縮絨してメルトン風に。ゆえに従来のピーコートより、劇的に軽く暖かい。ヒスにしかできない新技です。
ヒステリックグラマーのピーコート
’90年代からいち早くプリマロフトを取り入れているヒス。プリマロフト混の縮絨ニットなので、水に強く、伸縮性にも優れる着心地も嬉しい。5万2000円。
従来のメルトン以上に軽くて暖かい!
(問)ヒステリックグラマー
TEL.03-3478-8471
https://www.hystericglamour.jp/
※表示価格は税抜き
[ビギン2017年12月号の記事を再構成]
写真/竹内一将(STUH) 若林武志 文/吉田 巌(十万馬力) 桐田政隆 礒村真介 押条良太(押条事務所) 黒澤拓也 灰岡美紗