名門ベンラスの’70年代ミルスペック復刻モデルがかなりアリ!!
UDTやネイビーシールズが公式採用したリアルミリタリーを忠実復刻
1921年、時計修理士のルーマニア系米国人ラズラス兄弟によってNYで創業したとき、ベンラスの歴史は始まります。優れたスイス製ムーブメントを輸入し、米国内で組み立てる生産体制により、’30年代にはドレスウォッチで人気を集め、また、’60年代にはインナーベゼルを備えた防水モデル「ウルトラディープ」を開発し、実力の高さを見せつけました。
しかしベンラスといえば、なんといってもミリタリーウォッチが有名です。米・国防総省公式認定のミルスペックにしたがい、ことにベトナム戦争期に数多く生産されたベンラスの軍用モデルは、そのカッコよさと堅牢性の高さから日本の中古市場でもファンが少なくありません。
今回紹介するモデルは新作ながら、米軍から秘密作戦用ダイバーズの設計&製造を依頼されたベンラスが1972年~’80年頃まで製造した「TYPE-I」、「TYPE-II」をできる限り忠実に復刻したものです。オリジナルでは、「TYPE-I」はUDT(水中破壊工作部隊)やネイビーシールズ、CIAエージェント、深海潜水夫といった特殊工作員や特殊部隊員向けに製作され、「TYPE-II」は「TYPE-I」とほぼ同仕様ながら文字盤が12/24時間表示で、現場の兵士やオペレーターのためのモデルでした。
それらはケースが鋼ブロックから機械加工された一体成型構造で、裏ブタがなく(ムーブメントは文字盤側からケーシングされた)、その分、時計の耐久性が大幅に向上したと言われています。ちなみに、今回の新作2モデルは忠実復刻ながらも裏ブタ仕様を採用し、10気圧の防水性能も備えております。また、オリジナルが機械式だったのに対し、これら復刻モデルではスイス製クォーツが搭載されており、これも新旧の相違点です。
と、こうした実用面ではさらなる進化を遂げつつも、見た目はオリジナルとそっくりの「I」&「II」は、オリジナル性を重視するコダワリ派も「納得!」の出来映えです。なお、元祖にも存在したシルバーケースタイプに加え、この復刻2モデルでは、よりファッション性を高めたブラックIP加工のケースタイプも追加されています。
ベンラス・ファンにはもちろん、ミリタリー好きにとっても要注目の、この復刻2モデルは、ともにシンプルであるがゆえにさまざまなスタイルの手元に違和感なくマッチ。今どきな’70年代&’80年代ファッションにも直球で刺さるとあって、まさに狙い目の時計と言えるでしょう。
風防もオリジナルにならったダブルドーム型を採用。風防の内側がフラットなシングルドームに対し、ダブルドームは外&内の両面がドーム形状であるため、斜めからの視認性が損なわれないという利点があるのだ。
「TYPE-I」は特殊工作員らが瞬時に&確実に時間を読みとれるよう、徹底して文字盤をシンプル化させたモデルだ。シルバーケースタイプ3万3000円、ブラックケースタイプ3万4100円。
12時間表示の内側に24時間表示を併記する「TYPE-II」。ともにアラビア数字とあって、「TYPE-I」に比して“濃い”顔つきだ。シルバーケースタイプ3万3000円、ブラックケースタイプ3万4100円。
「TYPE I」&「TYPE II」
※以下は、両モデルの共通スペック。価格は上記キャプション参照。
駆動方式:クォーツ
防水性能:10気圧
ケース径:42mm
ケース素材:ステンレススチール
風防素材:クリスタルガラス
バンド素材:ナイロン(引き通しタイプ)
問い合わせ先/マーサインターナショナル ☎ 03-5541-0170
https://benrus.jp/
※表示価格は税込
文/山田純貴