国産デニムの妙技が光る1st、2nd「ゆるGジャン」がいいじゃん!
[DENIM JACKET]今季は着るじゃなく、羽織る感覚!
ストレスなく羽織れるゆとりあるサイズ感を
短丈アウターといえば、外せないのがGジャン。一発でコクあるスタイルを築ける、まさに全男子必須のアイテムですよね。当然皆さんお持ちかと思いますが、そのGジャン、胸や肩がピチピチじゃないですか? 丈も短めで裾からベルトがのぞいたりしてません?
だとしたら、即刻新たな一着を求めるべき。今の気分的にやっぱりゆるさがないと古臭く見えてしまうもの。
実際店頭でも国産デニムによる絶妙アレンジが施された“ゆるGジャン”が完全に制圧。オーバーシルエットまでいかずとも、肩や身幅、着丈に程よく余裕があるものを選び、自分のGジャン姿をアップデートしましょう。
なお狙い目は1stや2ndと呼ばれるタイプ。これらのほうがもともと身幅が広く、ゆるシルエットにアレンジされても違和感ありませんから。ていうか、ちょうどシャツアウター的バランスとなり、コーデもラク! ちなみにGジャンの祖はデニム地のシャツ。
そんな歴史に思いを馳せる意味でも、シャツ感覚でゆる~っと羽織れる1stか2nd、いっときません?
上写真/Gジャン3万5200円(キャプテンサンシャイン)、エンソンのシャツ2万5300円(ユナイト ナイン)、ユーゲンのパンツ4万1800円(イデアス)
ちゃ~んと理解してる? Gジャン[タイプ別]研究
丈夫で機能的な労働着を求める声に応えて作られた“デニム地のシャツ”がGジャンの起源。1st、2nd、3rdとはそのスタイルを確立させたリーバイスのGジャンの型変遷を示し、今も多くのGジャンがいずれかを元ネタにしている。以下、主な特徴を解説してみた。
[1st]1920年代~1952年
すべてのGジャンの原点ともいえる存在
半世紀近くにわたり作られた1stこと「506」。身頃のプリーツにより“プリーテッドブラウス”とも呼ばれた。左胸にフラップポケットを装備し、身幅調節用のバックシンチが付く。
バックシンチ
[2nd]1952年~1962年
両胸ポケットで、より機能的なワークジャケットに
ボックスシルエットやフロントプリーツといった1stの特徴を受け継ぎつつ、フラップポケットを両胸に配した2ndこと「507」。バックシンチはサイドアジャスターに進化。
裾の両サイドにアジャスタブルベルト
[3rd]1962年~1966年
ファッションを意識したGジャンの完成形
ヨーク下にベース型のフラップポケットを配し、連動するようにV字ステッチを取り入れた3rdこと「557」。パターンも立体的となり、よりファッショナブルに着こなせるように。
ヨーク部から裾までV字のステッチ
じつは衿もビミョ~に違う
見逃されがちだが、1st、2nd、3rdでは衿の形も異なる。とくに3rdは一番大ぶりでロングポイント。’60年代らしいディテールだ。
[1st BASE]片ポケのシンプルデザインが特徴の1st
シンチバックが後ろ姿のさりげないアクセントに
KAPTAIN SUNSHINE[キャプテン サンシャイン]
スモールカラー トラッカー
チョコンと立ち上がった小さな衿がキャッチーな一着。ムラ糸と高撚糸の混紡糸を旧式シャトル織機でゆっくり織り上げた10.5ozのデニムは非常に柔らかな風合いで、リラックス感あるシルエットと相まって気軽に羽織れる。3万5200円(キャプテンサンシャイン)
シンチバック
旧式シャトルによるふんわりしたデニム地
西海岸っぽいデニムのブルーを加工で再現!
REMI RELIEF[レミ レリーフ]
デニム 1st ジャケット
毎季人気を博すレミ レリーフの定番Gジャンにナチュラルな色落ち加工を実施。それも西海岸の若者が毎日洗濯を繰り返しながら3年経た想定の色落ちを目指したとか。たしかに絶妙なブルーです♪ 2万6400円(ユナイト ナイン)
大戦モデルを忠実になぞった渾身作
WAREHOUSE & CO.[ウエアハウス]
デニム ジャケット
第二次世界大戦中に作られたフラップなしポケットの1stを、縫製、パーツ、生地に至るまで再現。ドロップショルダーをはじめ、1stのスタイルはそもそも今の気分に沿うことを実感できる一着。3万7400円(ウエアハウス東京店)
[2nd BASE]アイコニックな両胸ポケが目を引く2nd
十八番の立体裁断で美しくて動きやすい!
SCYE BASICS[サイベーシックス]
トラッカー ジャケット
袖付けを運動性に優れる得意のピボットスリーブとし、かつ随所のサイズバランスにも徹底的にこだわったいかにもサイらしい2nd。米国綿を使ったオリジナルのセルビッジデニムを使用。3万1900円(マスターピースショールーム)
リアルヴィンテージな2ndならコイツ!
orSlow[オアスロウ]
2ndタイプ
2ndの誕生年代に合わせて、’50年代のような自然なムラ感のある糸でオリジナルセルビッジデニムを作製。ディテールも忠実で、着用と洗濯を繰り返せばまんまヴィンテージな風格に育つ。3万5200円(ベースデニムプロダクツ)
※表示価格は税込み
[ビギン2022年5月号の記事を再構成]スタイリング/武内雅英(CODE) ヘアメイク/北村達彦 イラスト/TOMOYA その他のスタッフクレジットは本誌をご覧ください。