特集・連載
プロジェクトe〜電動の挑戦者たち〜
毎年争奪戦の“電アシ”知ってる? ビームス×パナソニックの「BP02」
ハイテク自動車からテスラまで! e-乗りもの大全 これからしばらく“密”はダメです。これからずっと地球温暖化は困ります。どうなっちゃうの~?僕らの未来……。そんな時代をスィ~~~と乗り切るひとつの最適解がe-乗りもの。すなわち、電気の力で走るモビリティです。事実、ここ数年、とくにコロナ禍以降、日本でも電動アシスト自転車や電気自動車の市場が急成長というニュースはよく耳にしますよね? 各メーカーから驚きのテクノロジーを搭載したマシンが続々登場し、一部のモデルは「欲しい!」と思ってもすぐに買えないほどの人気っぷりです。だからこそ今欲しい、e-乗りものを全方位的にご紹介します。 この記事は特集・連載「ハイテク自動車からテスラまで! e-乗りもの大全」#14です。
2016年に限定販売したところ即完売。以後インライン化したものの、年間生産台数が少ないこともあり常に品薄状態……。ビームスとのコラボによるパナソニックの「BP02」は、“電アシ”界の知る人ぞ知るヒット作。誕生の経緯をキーマンに語っていただきました。
RROJECT e[Vol.1 Panasonic BP02]
電アシ=ママチャリからカッコいい大人の相棒に
人気の高さから買いたくとも買えない状態が続くパナソニック×ビームスの電動アシスト自転車「BP02」。じつはこれは両者コラボの第2弾で、’07年にも「BP01」というモデルをリリースしていたそう。ビームスの古屋さんは説明してくれました。
「第1弾のとき、当初先方は既存モデルから色や仕様を変える程度と考えていたようですが、それじゃ面白くないのでBMXのデザインでイチからオーダー。あまりにも細かく注文をつけるので“アパレルの兄ちゃんが何を言ってるんだ”という視線も感じましたが(笑)、次第に打ち解け、双方大満足の一台に」。
「ちなみにBMXにしたのは、その頃の電動アシストは体力のなさを補う乗りモノというイメージだったから。僕はアシストの力をもっと“楽しい方向”に使いたかったんです」。
目論見どおりBP01は大ヒット。そしてビームス40周年の’16年、今度はビーチクルーザースタイルのBP02が限定300台で登場したのです。
「当時ウチは日本のいいモノ・コトの紹介に注力し始めていたこともあり、今一度一緒に自転車を作れないかなとオファーしたんです。すると先方は第1弾のときと同じチームを組んでくれた。皆さん偉くなっていたので、ボクがムリを言っても前回より社内的に話が通しやすかったようですね(笑)」。
「前作同様、この自転車で混んだ街中を縫って走るようなことは考えていません。目指したのは、カッコいい大人が気持ちよくゆったりクルーズできる一台。このコンセプトに共感する人が一定数いることは確信していましたが、ここまで長く売れ続けるとは想定外」。
「最近デザインにこだわった電動アシストがいろいろ出てきましたが、信頼の国産、それも名門パナソニック製という点も人気が衰えない要因でしょう」
ところでもし第3弾コラボがあるとしたら、次はどんなモデルを?
「荷物をラクに運べる三輪の電動アシストを妄想してます。商用車っぽくなく、前2作を踏襲したオフロード寄りのデザインで。クルマの乗り入れができないキャンプ場などで活躍するイメージですね。ウチが絡むなら、そのくらい遊び心あるものを作りたい。パナソニックさん、楽しみにしてます!」
bPr ビームス バイヤー 古屋雄一さん
’72年生まれ。入社以来25年にわたりbPr BEAMSのバイイングを担当。じつは自転車店勤務の経験あり。趣味はカヌーとサックス。
「ゆったり余裕がかませる大人の電アシが作りたかった」―ビームス 古屋さん
Panasonic×BEAMS[パナソニック×ビームス]
BP02
テーマは“クルーズする電動アシスト自転車”。仕様を少しずつ変えながら、今なお多くの大人を虜に。1充電あたりの走行距離は約46km(パワーモード時)。14万8000円(パナソニック サイクルテックお客様相談窓口)
フレームの曲線にもとことんこだわった
精密なモーターも手作業で組み立てる
耐久性を高める被膜処理工程
国内生産ゆえ厳しい基準をクリアできる
フレームはもちろん完全オリジナル
※表示価格は税込み
[ビギン2022年4月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。