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C級スニーカー

モードとは真逆!?だけど……’90年代の手の届くA級欠番!
C級スニーカーBEST5

C級スニーカーって!?
ひと言でいえば、マイナースニーカーのこと。C級スニーカーコレクター、永井さんが命名したもので、近年注目度が高まっている。

エアマックスを筆頭に、誰もがプレミアモデルを血眼で探していた’90年代。その一方で、ひたすらマイナーなスニーカーを買い続けていたのが、C級スニーカーコレクターとしても話題を呼んでいる永井ミキジさんです。

「僕が10代だった’90年代前半は古着ブームで、フランス製のアディダスとかメジャーなヴィンテージスニーカーが人気でした。でも10代の僕にそれらは高額で、いつも違う選択肢を探していました。そんな時、日本に生産工場ができたばかりだったパトリックとか、無理なく手の届く、それでいて珍しい自分だけの一足を履く喜びに開眼。マイナースニーカーばかりを買うようになりましたね」

そこで今回’90年代に購入した、思い出深~いC級スニーカーベスト5足を披露してもらいました。

「まずは、トラサルディかな……。ファッションに目覚め出した高校生時代、誰の影響も受けずに選びとったつもりでいたトラサルディのスニーカーをいたく気に入っていたんです。今になって思えば’80年代のイタカジブームに影響されてたんでしょうけど。そんな淡い思い出を忘れないよう、’90年代に改めて同年代のモデルを探して見つけたのがコレです」

1.トラサルディ
学生の頃愛用した絶妙ないなたさが◎

 
TRUSSARDI トラサルディのtrussardi sport
 
TRUSSARDI[トラサルディ]
trussardi sport

 
「高校時代にいたく気に入って履いてた、伊の老舗ブランド。当時はタツノオトシゴと思ってたアッパーのマークは、大人になって狩猟犬だと知りました(笑)」(永井さん)

C級スニーカー収集のルーツは高校生時代まで遡るんですね……。

「そんな高校生時代に高嶺の花だったのがケイパ。まず靴紐が二つに分かれるダブルレースのデザインが特徴で、サイドのダブルデルタロゴは別売りのカラーパーツと付け替えができるんですよ。斬新でおもしろいんですけど、知らないうちにパーツが取れてなくしてしまうのも当時のあるあるですね」

2.ケイパ
着せ替えできるロゴがイイんです

 
KAEPA ケイパ
 
KAEPA[ケイパ]
Unkown

 
「レースアップの靴紐が2つに分かれている、ダブルレースシステムも変わってましたね~。デルタピースはグミみたいな綺麗なカラーもあってかわいいです」(永井さん)

さらにこちらも大人には懐かしいエルエーギア。ありましたね~。

「LA発のブランドで、じつはマイケル・ジャクソンとのコラボモデルが有名だったりします。ハイカットのフィットネスシューズが多いんですが、このローカットのランシューはかなり珍しいです」

3.エルエーギア
M·J愛用ブランドのローカットはレア

 
L.A.GEAR エルエーギア
 
L.A.GEAR[エルエーギア]
Unkown

 
「’90年にはナイキ、リーボックに次ぐ全米第3 位のスポーツブランド。NBA選手とも契約してハイカットが多いなか、ランシューってのが刺さりました!」(永井さん)

4足目はなんとパタゴニア!?

「一見するとシンプルなキャンバススニーカー。でも見慣れたこのタグがシュータンについているのを見たときはこんなの出してたんだ!と驚きましたね」

4.パタゴニア
パタにキャンバススニーカーって!?

 
PATAGONIA パタゴニアのスタンドアップ・スニーカー
 
PATAGONIA[パタゴニア]
スタンドアップ・スニーカー

 
「’90s後半頃に数年だけ販売されたスニーカー。名品スタンドアップ・ショーツと同じ、丈夫なオーガニックコットン100%のキャンバスを使ってました」(永井さん)

そしてモノ好きにはたまらないのが、エーグルが仏軍に供給したトレーニングシューズです。

「これは一般流通していないレアなモデル。若い頃ミリタリー系は神戸の軍モノショップ、イカリヤでよく買ってました。最近ではスロバキア工場製のミリタリースニーカーが復刻されたりして人気です」

5.エーグル
軍用の機能美にホレました

 
AIGLE エーグルのMILITALY
 
AIGLE[エーグル]
MILITALY

 
「’80sにエーグルが仏軍に卸していたヴァルカナイズドスニーカー。シンプルな作りで今でも状態よく残っています。パイルのインソールもお気に入り」(永井さん)

最後に、今狙い目’90年代C級スニーカーを聞いてみると……。

「スケーターの間で流行った定番モデルじゃなくて、コンバースのオールスターみたいなデザインのエアウォークが逆に良い。定番モデルじゃないから4000円くらいで買えました。ただ最近は欲しがる人が増えてきて、市場価値が上がってしまわないかと複雑なところです(笑)」

永井ミキジさん

永井ミキジさん

「無理せず手の届くレアスニーカーを探すのが楽しいんです。」
本職はグラフィックデザイナー。集めたマイナースニーカーは数知れず、自身のコレクションをまとめた『C級スニーカーコレクション』(グラフィック社刊)が発売中。

おせっかいな解説

●パトリック
フランスのシューズブランド。1990年に日本に工場を開設。日本でも本格的に人気が広まっていった。

●イタカジ
’80年代に大ブームとなったイタリアン・カジュアルの略称。短めのすそ丈デニムなどが人気を博した。

●ダブルレース
ケイパの創設者がテニスのプレイ中に紐が切れ、二重構造としたところ動きやすかった逸話が起源。

●マイケル・ジャクソンとのコラボモデル
ビリー・ジーンやバッドなど、マイケルのヒット曲を冠したシグネチャーモデルを発売していた。

●イカリヤ
神戸の進駐軍払い下げの軍服やデニムを扱い、1956年に創業。レアな掘り出し物が見つかることも。

●スロバキア工場製
スロバキアは’30年代からの欧州最大級の製靴拠点。有名ブランドや軍用靴のOEM生産でも知られる。

●エアウォーク

エアウォーク

コチラは最近になってミキジさんが購入されたエアウォークのスニーカー。定番のスエードのスケシューとは異なり、コンバースのオールスターに似た形や、ドットの総柄デザインがお気に入りポイントだそうだ。
 
※表示価格は税込み


[ビギン2022年2月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。

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