特集・連載
1995~1990年代後半:ハイテクスニーカーブーム
雨の汚れを目立たせない、気遣い由来のナイキの黒エア
傑作スニーカーの超現代ヒストリー '90s~2010年代編 1900年代から始めるのがスニーカー史のセオリーですが、今回は雑誌ビギン創刊の1988年を起点に超現代をフィーチャー! この記事は特集・連載「傑作スニーカーの超現代ヒストリー ’90s~2010年代編」#04です。
1995年エアマックス95が登場。空前のハイテクスニーカーブームに
時は1996年。傑作スニーカー史のなかでもひと際のハイライト、ハイテクスニーカーブームが起こります。社会現象にまでなった発端はエアマックス95。もとは’95年9月の発売でしたが、それまでのエアマックス、ランニングシューズとはかけ離れた前衛的なデザインで、当初の評価は高くありませんでした。
ちなみに発売前はナイキ社内でも不評。理由はランニングシューズで重厚な黒ソールは掟破りだから。ただこれは、雨の多いオレゴンで走ってもソールの汚れが目立ちにくいという、デザイナーのセルジオ・ロザーノが考えたカラーリングによる機能だったのです。
そして当時のストリートでは黒ソールが普通のアウトドアスニーカーやバッシュが人気で、反対を押して登場したエアマックス95は、逆に世のカリスマや高感度なユーザーが食い付く結果に。
’96年に人気が爆発するとポンプフューリーやディスクブレイズなど画期的なモデルもフィーチャーされ、今につながるスニーカーブームの礎となりました。
有名人が着用したことで人気に火がついた!
NIKE[ナイキ]
エアマックス95
前足部にビジブルエア搭載の歴史的な一足。黒ソールから上部にかけて色が薄まるグラデカラーも異例のことだった。下は購入可能なエッセンシャルモデル。1万8700円(ミタスニーカーズ)
今買える! オールブラックの95
【2nd】通称ブルーグラデ
爽やかな白ベースで人気が一段と加速
【3nd】通称レッドグラデ
3rdカラー登場で人気爆発。プレミア化が進む
エアマックスシリーズのモチーフなんだ?
なかには日本の新幹線などもあるのですが、皆さんはいくつ知っていますか!?
「ポンピドゥセンター」がモチーフ
Photo by Denys Nevozhai on Unsplash
NIKE[ナイキ]
エアマックス1
デザイナーはエア・ジョーダンでもお馴染みのティンカー・ハットフィールド。世界初ビジブルエア搭載モデル。
「ミルクジャグ」がモチーフ
NIKE[ナイキ]
エアマックス93
270度ビジブルエアクッショニングで、度肝を抜いた隠れ名作。ハラチフィットシステムとの融合も注目を浴びた。
「新幹線」がモチーフ
Photo by Fikri Rasyid on Unsplash
NIKE[ナイキ]
エアマックス97
通称サイバー・マックス。初めてフルレングス・ビジブルエアを搭載し、テクノロジーの観点でも歴史的な一足に。
「馬蹄」がモチーフ
Photo by Philippe Oursel on Unsplash
NIKE[ナイキ]
エアマックス180
先代の90以上にエアの露出を目標にした、踵の周りを囲むブローモールドエアユニットがインパクト大!
ブームを牽引したこの2作もお忘れなく
PUMA[プーマ]
ディスクXS7000OG スニーカー
甲のディスククロージャーを締めるとワイヤーが作動、紐を結ばずにフィット感を高めた画期的なディスクシステムを搭載。こちらは’91年発売初代ディスクの復刻。参考商品(プーマ)
未来的なデザインも注目の的に
Reebok[リーボック]
インスタ ポンプフューリー
近未来的なデザインでエアマックス95と双璧の人気を誇った、ポンプフューリー、1stカラーのシトロン。アイスランドの歌姫、ビョークがライブや雑誌「Cut」の表紙で着用したことでも有名だ。
※表示価格は税込み
[ビギン2022年2月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。