特集・連載
キャル オー ライン 金子敏治さんをめぐる、これからのシン・スタンダードとは #035
100人をめぐる、これからのシン・スタンダード モノを持たない風潮の今、本当に価値のあるモノってなんだろう? 身の丈に合わないモノはいらないし、ファストな使い捨てモノなんてもっといらない! とはいえ一切無駄を省いた生活もなんだか味気ないような……。大切なのは、何を所有するかよりも、どう向き合うかという視点。モノ選びの賢人たちは今、何を選び、どんなライフスタイルを志向するのか? 100人への取材を通じて、これからのスタンダードを探ります。 この記事は特集・連載「100人をめぐる、これからのシン・スタンダード」#35です。
「デジタル時代だからこそアナログな遊びが新鮮です」
キャル オー ライン 金子敏治さん
子どもたちが大きくなってきて、フと思ったんです。身の回りがデジタル一辺倒になのは、ちょっと味気ないなって。だから自分が子どもだった頃のように、手と頭を使って遊んでほしいなと思って、何十年かぶりにルービックキューブを買ったら、これが思いのほか自分自身がハマってしまって(笑)。
みんなで一緒に遊べるように何個か買い足したんですが、今一番気に入っているのは、昨年購入した、日本発売40周年を記念した限定モデル。メタリックカラー仕様になってるだけなのに鮮度はかなり上がっていて、部屋に飾ったときの存在感も段違い。
これは自分もモノ作りに携わるようになった今、改めて気づかされたことなんですけど、ルービックキューブほど完成されたオモチャはそうそうない。まず遊び方がシンプルで、指を動かすことは脳の体操になるとも言いますし、何より単純に見た目が美しい。
立方体を連ねて創られた立方体はアートなインテリアにも見えるし、実際かの有名な美術館MoMAにも収蔵。さすがは建築家が発明したものだなと感心させられますよね。
子どもの頃から触れ合っていた身近なオモチャなんて言っておきながら、じつは揃えられたのは最高2面まで(笑)。まだまだ長い付き合いになりそうです。
ルービックキューブ[Rubik’s® CUBE]
メタリックカラー
ハンガリーの建築家エルノー・ルービックが1974年に発明したレジェンド玩具。日本では’80年から発売され一大ブームに。こちらは、日本発売40周年記念モデル。W5.7×H5.7×D5.7cm。3000円前後で購入可能。(本人私物)
キャル オー ライン デザイナー
金子敏治(かねことしはる)
1973年生まれ。2015年から米国西海岸のカルチャーを背景とする人気ブランド、“キャル オー ライン”を創設。ルービックキューブを愛娘たちとのコミュニケーションツールとしても活用する、よきパパだ。
※表示価格は税込み
[ビギン2022年1月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。