トリコ使いが秀逸!! 仏の人気コミック「ミッシェル・ヴァイヨン」のクロノ

仏コミックの名作を体言したお洒落なレーシングクロノです

世界3大コミック産業というのがあって、それは日本の漫画、アメリカンコミック、そしてフランスやベルギーのバンド・デシネ（bande dessinée／仏語で「描かれた帯」の意）なのだそうです。このうちのバンド・デシネではベルギーの『タンタンの冒険』が日本でもよく知られていますが、カーレーシングを題材にしたフランスのコミック『ミッシェル・ヴァイヨン（Michel Vaillant）』も仏語圏を中心に、初登場の1957年から今日まで不動の人気を誇っているバンド・デシネの代表作です。

ここに紹介するイエマ（YEMA／1948年、スイス国境にほど近い仏・ブザンソンにて創設された時計ブランド。2018年に日本上陸）の「ラリーグラフ ミッシェル ヴァイヨン（Rallygraf Michel Vaillant）」は、同コミックの主人公ミッシェル・ヴァイヨンとのパートナーシップによって誕生したレーシングクロノグラフです。

タキメーター（所定の距離における平均速度を計測するための目盛り表示）付きのベゼルに取り囲まれた文字盤は、ブルー×ホワイト×レッドの3色（フランス国旗、すなわちトリコロールの配色！）使いと、ブルーストライプを取り込んだ2カウンターのインダイヤルがとても印象的。これは、1959年に発行されてベストセラーとなったコミックブックのシリーズ第1巻『ル・グラン・デフィ（Le Grand Défi／仏語で「大きな挑戦」の意）』の作中に描かれたミッシェル・ヴァイヨンのファーストレーシングカーに見られる「V-シェイプフロントバンパー」にインスパイアされたデザインなのです。

6時位置にはチームのロゴもプリントされ、ケースバックにも同ロゴを刻印。また、セイコー「VK64」の搭載により、クォーツでありながらもクロノグラフ秒針が機械式のごとき滑らかに動く様を見せてくれるのも、このモデルの魅力といえましょう。

たとえ『ミッシェル・ヴァイヨン』を知らずとも、文字盤の独創的なデザインやトリコロールの配色が洒脱で、時計好きやファッション党にとっても魅力的なこのコラボモデル。もちろんバンド・デシネ通や『ミッシェル・ヴァイヨン』ファンにとっては、これは必携のコレクションアイテムになることでしょう。ちなみに10月15日に本国で発刊されたシリーズ最新作 『パイクス・ピーク（Pikes Peak）』の中では、このモデルを身に着けて活躍するミッシェル・ヴァイヨンを見ることができるそうです。

1957年にフランスの漫画家ジョーン・グラトン氏によって生み出されたコミックシリーズ『ミッシェル・ヴァイヨン』のメインキャラクター、ミッシェル・ヴァイヨンは、おもにフォーミュラ1（F1）で活躍するレーシングドライバーという設定のキャラクターだ。ちなみに日本ではあまり知られていない同シリーズだが、誕生当初からフランスやベルギーなどで大変な人気を呼び、コミックブック（単行本）の発行部数は現在までに全世界でシリーズ通算約1700万部にも達し、また、TVアニメ化や映画化もされるなどして世代を超えた根強い人気を誇っている。

問い合わせ先／イエマジャパン　☎ 03-5875-8810
https://chapman.jp

※表示価格は税込

文／山田純貴