wook vol.11

OLIVER PEOPLES オリバーピープルズ Cording DARBY

本間昭光

本間昭光

プロデューサーとして、アレンジャーとして、作曲家として、誰もが口ずさめるヒットソングを数多く生み出してきた本間さんは、大のモノ好き。興味を持ったらとことん!な性格から、あらゆるモノに深い思い入れがあります。そんな本間さんの愛するモノの中から、音にまつわるアイテムにフォーカス。その魅力&エピソードを語っていただく連載、♯14は“アイウェア”です!!

メガネはミュージシャンの“役作り”に欠かせない!?

僕はここ20年の間、ずっとオリバーピープルズのメガネを使っています。坂本龍一さんが掛けていると聞いて、憧れたのが始まりで。かれこれ10本くらいを掛けましたかね。最初の一本はどうしてもご当地で買いたくて、フレームだけアメリカで買って帰ったのを覚えています。

 OLIVER PEOPLES オリバーピープルズのコーディング Cording
愛用のメガネは、オリバーピープルズの「コーディング」という日本限定モデル(現在は販売終了)。元々はクリアフレームの同モデルを使っていたが割ってしまい、こちらは2代目。クラシックなテイストだが線が細く、都会的な印象もある独特な形状のボストンメガネだ。「オリバーピープルズは、面白いマテリアルのメガネもたまにあるけれど、総じてブッ飛んだ感じじゃない。そういうところも気に入っています」と本間さん。

昔は白山眼鏡のメガネも掛けていました。これはジョン・レノンが好きだったから。すると大江千里さんも白山眼鏡のメガネを掛けているなんて話を小耳に挟んで、シンパシーを感じた覚えがあります。でも僕は鼻が低いもので、ノーズパッドがある程度あるものでないと似合わない。似合う人でありたかったです(笑)。

という風に、僕はミュージシャンに憧れてメガネを選んできたわけですが、エルトン・ジョンをはじめ、ほかにもメガネのイメージが板に付いたミュージシャンはたくさんいます。

とりわけ奇抜なイメージがあるのは、ブーツィー・コリンズというベーシスト。みんなブーチーって書くのが不思議なんですが、さておき、この人はレンズが星のカタチに縁取られていたりと、どこで買ったの!?というものばかりを掛けている。掛けたいかどうかは別にして、純粋にカッコいいなと思います。

ほかにもエルヴィス・コステロとか、日本では鮎川 誠さんとか、ロックの世界にはメガネの似合うカッコいい人がいっぱいいますよね。

これがサングラスとなると、井上陽水さんやハマショーさん、杉山清貴さん、スガシカオさんら、これまた個性的な似合う方々がいらっしゃる。鈴木雅之さんもそう。以前一緒に写真を撮ろうよとなったときに、「ちょっと待ってください。今、鈴木雅之になりますから」と言っておもむろにサングラスを掛け出したことがありました。メガネもそうですが、サングラスはそれ以上に掛ける人の“キャラクターの一部”になりうるツールなのだと思います。

鈴木雅之 サングラス

ちなみに僕は、メディアに出る際はメガネを外すようにしています。(メガネを掛けても)強力な個性のある顔ではないので、外したほうがあいまいにでも覚えていただけるかなと思いまして(笑)。こちらは余談でした。

目的を見失うと、道具は途端につまらなくなる

キャラクター性の強いメガネといえば、画家のレオナール・フジタが掛けていたような丸メガネがまず頭に浮かびます。もう丸メガネとセットで覚えられるほど、強烈な個性がある。100年以上前の写真なのに褪せないカッコよさがあるところにも、特別な魅力を感じます。

ミュージシャンでは、最近だと教授(坂本龍一さんの愛称)も丸メガネの印象がありますね。画家に文筆家にコメディアンにと丸メガネが似合う人は各界にいて、F1の名門チーム、スクーデリア・フェラーリを率いるマッティア・ビノットさんという方も丸メガネ姿が堂に入っていました。

急にF1の話をしたのは、先日とあるレーシングチームのトップを務めている方とお話をしたときに、興味深い話を聞いたからです。アイウェアとは何の関係もない話で恐縮ですが、今のF1マシンというのは、約400箇所、至るところにセンサーが付いていて、無人で走らせようと思えば走らせることもできるのだそうです。しかも、どんなに才能のあるドライバーよりも速く走らせることができる。そうなるともうスポーツとして成り立たずに、見ていても面白くありませんよね。

F1マシン

これが二輪となると体重移動など別の要素が必要なため、まだAIは人間に勝てないそうなのですが、さておき、メガネが人間の視力を補うための道具であるように、人間の機能を“補う”のが道具なり技術なりの本来の目的。補うのではなくすべてを任せてしまうようになると、途端に道を外れて面白みがなくなってしまうというのは、興味深いですよね。これは音楽の世界でも同じことがいえる。

今回は人間の“視る”機能を補完するアイウェアについてお話したので、次回は“聴く”を補完するスピーカーやイヤホン、ヘッドホンについてのあれやこれやをお話ししようと思います。

本間昭光

本間昭光(ほんま あきみつ)

1964年大阪生まれ。’88年に「マイカ音楽研究所」に入学。松任谷正隆氏に師事し、作曲アレンジを学ぶ。’89年、上京とともに「ハーフトーンミュージック」に所属し、アレンジャーやサポートミュージシャンとしての音楽活動を開始。

’99年にak.homma名義でポルノグラフィティのトータルプロデュース・作曲を担当。「アポロ」や「サウダージ」等のヒット曲を数々生み出す。2009年には、いきものがかり「なくもんか」の編曲を担当し、その後も「ありがとう」など、多くの楽曲のサウンドプロデュースを担う。最近ではアレンジを手掛けた筒美京平先生のトリビュートアルバム『筒美京平SONG BOOK』が発売中。また2020年にバンダイナムコアーツとともに立ち上げた「Purple One Star」レーベルでは、レーベルプロデューサーを担当。80’sの世界観を完全に再現した第一弾アーティスト、降幡 愛が話題。ニューシングル「東から西へ」が12/1(水)よりリリース。MVはこちら↓↓↓

降幡 愛オフィシャル YouTube Channel
https://www.youtube.com/channel/UCWfhLoV53Rwdc9WGw735IUg

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