特集・連載
アウトドアスタイリスト 近澤一雅さんをめぐる、これからのシン・スタンダードとは #021
100人をめぐる、これからのシン・スタンダード モノを持たない風潮の今、本当に価値のあるモノってなんだろう? 身の丈に合わないモノはいらないし、ファストな使い捨てモノなんてもっといらない! とはいえ一切無駄を省いた生活もなんだか味気ないような……。大切なのは、何を所有するかよりも、どう向き合うかという視点。モノ選びの賢人たちは今、何を選び、どんなライフスタイルを志向するのか? 100人への取材を通じて、これからのスタンダードを探ります。 この記事は特集・連載「100人をめぐる、これからのシン・スタンダード」#21です。
「今も1脚1000円ちょい! 令和も使える昭和の無名良品」
アウトドアスタイリスト 近澤一雅さん
アウトドア商社、モチヅキのオリジナルブランド「ナチュラルスピリット」の折り畳みチェアは、昭和からデザインを変えることなく続く隠れた名品。世界でも屈指の金物産地、新潟県・三条燕地区で作られています。
大人だとお尻が少しハミ出るんだけど、耐荷重はなんと80kg。畳むと縦横比はB4サイズ以下で、厚さはせいぜい5cmくらいなのにスゴいでしょ⁉ しかもこの品質で1500円しない。耐久性も十分だから実際に壊れたことはないけど、壊れたら買い替えればいいや、と割り切れるコスパの高さですよね。
昔から知ってはいましたが、じつは自分で買ったのはごく最近なんです。仕事柄、新作チェアばかりに目がいきがちでしたが、「フィールドでガシガシ使うなら、気遣い無用のこれがいいじゃん!」と気がついて、8脚まとめて大人買い!! ……でも1万円ちょい。
カッコよくて座り心地のいいアウトドアチェアは山ほどありますが、このチェアはそれとは違う。お世辞にも超快適とは言えないけれど、ちょっとした休憩や釣りの腰掛けになるし、荷物置きにも便利。
一切無駄を省いた、少々不愛想とも言えるデザインも今となっては新鮮です。決して主役にはなれないけれど、名脇役を極めたチェア。素朴な魅力にヤミツキです。
NATURAL SPIRIT[ナチュラルスピリット]
フォールディングチェア
スチールパイプとナイロン生地だけのシンプルな設計で、720gの軽量性も実現した折り畳みチェア。黒の他、赤や黄、青も展開。W23×H43×D24cm(収納時W27.5×H34×D5cm)。「バカンスチェア」1320円(モチヅキ)
アウトドアスタイリスト
近澤一雅(ちかざわかずまさ)
1977年生まれ。22歳でスタイリストを始め、28歳からアウトドアに傾倒。キャンプ関連のテレビ番組に関わるなど、活躍の場は多岐にわたる。休日キャンプでは、子どもと楽しむタナゴ釣りが至福。
※表示価格は税込み
[ビギン2021年11月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。