特集・連載
シップス 瀬谷俊法さんをめぐる、これからのシン・スタンダードとは #016
100人をめぐる、これからのシン・スタンダード モノを持たない風潮の今、本当に価値のあるモノってなんだろう? 身の丈に合わないモノはいらないし、ファストな使い捨てモノなんてもっといらない! とはいえ一切無駄を省いた生活もなんだか味気ないような……。大切なのは、何を所有するかよりも、どう向き合うかという視点。モノ選びの賢人たちは今、何を選び、どんなライフスタイルを志向するのか? 100人への取材を通じて、これからのスタンダードを探ります。 この記事は特集・連載「100人をめぐる、これからのシン・スタンダード」#16です。
「いろんなモデルが欲しいから5000円を超えたら諦めます」
シップス カジュアルバイヤー 瀬谷俊法さん
洋服屋だった親父から中学生のときにもらったのが出会い。かわいい時計だなーと気に入って、ずっと身に着けていました。まさか将来、収集するまでハマるとは思いませんでしたが。
オールドスウォッチって、グッドデザインが多くて。もちろん現行品もステキですけど、’80〜’90年代のそれはもっと色を使ったポップな時計が多い印象。バスキアとかキース・ヘリングのコラボモデルは象徴的で、色使いに時代の空気が感じられるんです。
径も小ぶりなものが多くて、手首の細い僕みたいな人間にはこのほうがしっくりくる。探すのは大抵、メルカリなどのフリマサイト。流通している数が多いのと狙っている人があまりいないのとで、価格が比較的手頃なのも魅力です。デイリーに身に着けるものをたくさん買いたい僕は、5000円を超えたらスパッと諦める掟を己に課しています。
個人的に好きなのは「JFK」や「ジェリーフィッシュ」などのスケルトンケースのモデル。夏はほぼ毎日身に着けています。洋服の色を時計のケースなりバンドなり針なりの色で拾うのが僕のセオリーなので、スウォッチのカラフルさがここで役立つ。
ちょっとバカっぽく、もとい気取らずに個性を表現できるあたりが、今の気分に合っているような気もしますね。
Swatch[スウォッチ]
’80~’90年代スケルトンモデル(オールドスウォッチ)
赤×青の「JFK」はブレザースタイルのハズしに重宝。壊れてしまいもう一つ調達するほどのお気に入りだ。品探しは主にフリマサイトやネットオークション。大抵U-1万円程度で状態がよいことも多い。すべて本人私物。
シップス カジュアルバイヤー
瀬谷俊法(せやとしのり)
1994年生まれ。洋服屋だった父親の影響を受けファッションの魅力に開眼。18歳でシップスへ入社し、’18年よりバイヤーを務める。20代にしてシップス初のメンズスキンケアシリーズの開発を担当したスゴ腕。
[ビギン2021年11月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。