苦手だった化学もこれなら興味を持てる
REMI RELIEF
Product_エイジング加工デニムシャツ
Price_2万4800円
ウエスタンシャツの中にバンドカラーシャツを重ね着したような、ユニークなフェイクデザイン。
時にデザイナー自身が見抜けないほどリアル
昨今のデニムブームで、改めて日本のデニム加工技術の高さを認識した人も多いはず。そのなかでも別格なのが、レミ レリーフ。なんてったって、ここの加工方法はもはや化学の領域ですから。
一般的にデニムを色落ちさせる場合、ブリーチ剤による脱色が行われています。これは、糸を染めるインディゴを溶かし出すことによって、いわば“強制的”に色を落とすというもの。しかし、レミレリーフの場合は薬品を一切使わず、古着と同じ退色原理を用います。
長期間着込むことで起こるデニムの色落ちは、染料内のアミノ酸と空気中の水素が結合し、それが体温や紫外線の熱で加水分解を起こして炭素化することで生じます。その工程を、自社工場にあるオリジナルの釜で、5〜6時間かけて再現しているのです。
リアルを本質的に表現した一枚を纏えるのは、ヴィンテージ世代の大人にとってうれしい限りです。
落とすのではなく自然な退色感を
色を抜くブリーチや表面を削り取るサンドブラストとの違いは、自然なグラデーションで色落ちしている点。色が落ちるというよりも、染み込んだ染料が褪せてゆくイメージだ。
ディテールにもこだわり盛り沢山
本作はデザイン的にも面白い。デニムシャツの“内側”に、もう一枚デニムのバンドカラーを着ているような、レイヤードになっている。
(問)ユナイト ナイン
TEL.03-5464-9976
※表示価格は税抜き
[ビギン2017年10月号の記事を再構成]
写真/上野 敦、船元愛美(プルミエジュアン)
文/吉田 巌(十万馬力) 秦 大輔 いくら直幸 伊藤美玲 桐田政隆 安岡将文 黒澤卓也