特集・連載
アウトドアスタイリスト 山田昭一さんをめぐる、これからのシン・スタンダードとは #013
100人をめぐる、これからのシン・スタンダード モノを持たない風潮の今、本当に価値のあるモノってなんだろう? 身の丈に合わないモノはいらないし、ファストな使い捨てモノなんてもっといらない! とはいえ一切無駄を省いた生活もなんだか味気ないような……。大切なのは、何を所有するかよりも、どう向き合うかという視点。モノ選びの賢人たちは今、何を選び、どんなライフスタイルを志向するのか? 100人への取材を通じて、これからのスタンダードを探ります。 この記事は特集・連載「100人をめぐる、これからのシン・スタンダード」#13です。
「日本古来の釣りを極めたら日本の伝統竿に行き着いた」
アウトドアスタイリスト 山田昭一さん
アウトドアを生業にするなら、キャンプの先にあるアクティビティも提案したい!と、5年前にテンカラを始めました。
起源は江戸時代、渓流釣りをしていた日本の職業漁師のスタイル。現代では、極限的にシンプルなギアでも腕を磨くほどに釣れるようになるゲーム性の高さが受け、人気が上がってきてますよね。
上級者の間では、魚を釣り上げた瞬間が何物にも代えがたい快感と表現されることも。初めての瞬間は僕も、達成感と興奮で恍惚としちゃったのを覚えています。
もちろん技術に合わせて竿もステップアップしていきます。これは、明治21年創業の老舗、日本最古の釣り竿メーカー櫻井釣漁具とサウスツー ウエストエイトのコラボによる竿。
“伝統美術工芸竿”とも呼ばれる一級品をマットなブラックにあつらえ、伝統的なのにグッとモダンな雰囲気に。竿のしなりを表す調子は7:3と言われる上級者向きで、一日2000〜3000回にも上るキャスティングをしても疲れにくい、軽量性も持ち味なんです。
日本の渓流でよく釣れるのはヤマメやイワナなど、20cm前後の食べられる淡水魚。キャンプサイトに持ち帰り、釣った瞬間の興奮を思い出しながら焚き火で焼いて食べるのも醍醐味だったりします。
Sakurai×South2 West8[櫻井釣漁具×サウスツー ウエストエイト]
テンカラロッド
South2 West8と櫻井釣漁具のコラボ作は、和竿には珍しいマットブラック仕様。適度な張りがあり、マスなど大きめのターゲットにも対応。「テンカラロッド 金剛3.6m」4万2900円(サウスツー ウエストエイト)
アウトドアスタイリスト
山田昭一(やまだしょういち)
1978年生まれ。アウトドア歴24年の経験を活かし、ブランドPRの他、ディレクションなどを請け負う。BeginTubeの「Camp Begin」にも出演。多忙の間を縫って、月1回は渓流に繰り出す。
※表示価格は税込み
[ビギン2021年10月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。