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D-VEC Tricker's ディーベック×トリッカーズのVJ-2620019

カントリーブーツの生みの親は、やっぱりトリッカーズでした

英国の名門トリッカーズ(1829年創業)を象徴するカントリーブーツ。その源流を探ると、日本では戦国~安土桃山の世だった16世紀、スコットランド高地に住むケルト系ゲール人(=ハイランダー)らが湿地などで狩りや釣りを行う際に履いたブローガン・ティオンダイドにたどり着きます。毛付きの生皮(おもに鹿皮)の上に素足を置き、下から包み込んで革ヒモを甲や足首に巻き付けて履く、この原始的な履物はトレンチ足(足がふやけて壊疽となる疾患)を防ぐため、その多くに排水用の小穴がうがたれており、これはのちにブローギング(メダリオンなどの穴飾り)へと変貌しました。

次の世紀、ブローガン・ティオンダイドはスコットランドやアイルランドの地主階級らが趣味の狩猟や釣りなどで履く靴へと進化を遂げ、1640年頃、これらに泥&砂よけ用として取り付けるキルトタン(ショールタン)も考案されました。なお、今日、私たちがカントリーブーツと認識する靴を生み出したのは、やはりトリッカーズで、それは創業者ジョセフ・トリッカーズ氏の義理の息子ウォルター・ジェームズ・バルトロップ氏が1848年に製作した子供用ブーツだったとされています。

「ジップを閉める→レースを締める」で足元を引き締める

前置きが長くなってしまいました。ここに紹介するのは、そのトリッカーズにディーベック(D-VEC)が別注したカントリーブーツとなります。ちなみに2017年に誕生したディーベックは、世界トップクラスの釣り具メーカーにして、フィッシングブランドのダイワ(DAIWA)などを展開するグローブライド(1955年創業。旧・ダイワ精工。本社/東京都東久留米市)が長年にわたり培ってきたノウハウや技術を活かし、快適な都会生活を送るためのファッションを提案するブランドです。

この別注は「これぞカントリーブーツ!」の定番モデル『ストウ』をベースにしつつ、そこにセンタージップを設けて、脱ぎ履きが楽チンな仕様にしたものです。また、『ストウ』ではシューレースで履き口まで締め上げてフィット感を高めるのですが、ジップアップ仕様では足首周りがルーズになりがち。ということなのでしょう、本品では通常より長いシューレースを付けることで、これを筒部に全周させて履き口を締め込めるようにもしています。ブローガン・ティオンダイドでは甲や足首を革ヒモで締め上げたと前述しましたが、奇しくもこのモデルはそうした伝統を継いだかのような仕様になっているわけです。

伝統と実用性を絶妙融合! カントリー初心者にもオススメ

センタージップ&ロングシューレースとともに本品を印象的なものにしているのが、甲に設けられたキルトタンです。現在でも一部のトレッキングブーツやワークブーツ、ゴルフシューズなどに散見するパーツですが、これも先述どおり、ルーツが17世紀半ばの英国カントリーサイドで生み出されたという点から、ロングシューレースと同様、カントリーブーツのプリミティブなディテールと見なすことができます。なお、本品のキルトタンは2枚構造になっており、うち1枚はじつはPVC製。この素材の選択はフィッシングにルーツをもつディーベックらしく、キルトタンに砂よけのみならず、水よけの役ももたせることを意図したのだと考えます。

これはアウトソールも同様で、伝統的にはダブルレザーソールであるところをダイワテクノロジーである「ハイパーDソール」に変更。水辺でもすぐれたグリップ力を発揮し、かつ接地面からの水の染み込みが回避できる仕様にしています。なお、ディーベック別注の証として、プルストラップに同ブランドのブランドマークが刺繍されているのも見どころです。

「カントリーブーツは欲しいけれど、脱ぎ履きが面倒……」と、購入をためらう人は少なくないことと思います。が、このジップ付きモデルなら脱ぎ履きはクイック&スムーズ。たとえば座敷の飲み会でお開き後に靴を履くのに手間どり、クライアントをお待たせしてキマリが悪かったってな経験もせずにすむでしょう。

こうしたイマドキなニッポンのビジネスマンにとって使いやすい仕様を取り入れつつ、排水孔が由来のブローギング(穴飾り)、ロングシューレース、キルトタンなどカントリーブーツの伝統的ディテールもしっかり兼ね備えている、この別注。靴通のコダワリを満たし、かつ実用性も申し分なく、カッコよく履けるブーツの出来上がりです!

D-VEC Tricker's ディーベック×トリッカーズのVJ-2620019

畳文化のニッポンでは正直、ブーツはジップ開閉式が大助かり。また、2枚構造のキルトタンは下1枚がPVC製。ウィングチップの場合、靴が雨にさらされた際に最も染み込みやすいのは一の甲~二の甲だが、そこにこのユニークなキルトタンを付けたことで、多少の雨であれば気おくれなく歩くことができるのだ。

D-VEC Tricker's ディーベック×トリッカーズのVJ-2620019 ソール

まるでスタッドレスタイヤのような、この「ハイパーDソール」を採用したことにより、たとえ濡れたフロアであっても高い防滑性を発揮し、たしかなグリップをもたらしてくれる。雨や雪の多いニッポンでは実用的なスペックといえよう。

ディーベック×トリッカーズの
「VJ-2620019」

製法:グッドイヤーウェルテッド
アッパー素材:牛革
ソール素材:合成ゴム(ハイパーDソール)
サイズ:7、7h、8、8h、9(25.5~27.5cm)
カラー:ブラックのみ
製造国:イギリス
価格:9万6800円

問い合わせ先/D-VEC TOKYO EXCLUSIVE ☎ 03-3405-8855
https://d-vec.jp/

※表示価格は税込


文/山田純貴

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