特集・連載
ニート デザイナー 西野大士さんをめぐる、これからのシン・スタンダードとは #005
100人をめぐる、これからのシン・スタンダード モノを持たない風潮の今、本当に価値のあるモノってなんだろう? 身の丈に合わないモノはいらないし、ファストな使い捨てモノなんてもっといらない! とはいえ一切無駄を省いた生活もなんだか味気ないような……。大切なのは、何を所有するかよりも、どう向き合うかという視点。モノ選びの賢人たちは今、何を選び、どんなライフスタイルを志向するのか? 100人への取材を通じて、これからのスタンダードを探ります。 この記事は特集・連載「100人をめぐる、これからのシン・スタンダード」#05です。
「誰でもキレイな写真が撮れる今、高精細だけが正義じゃない」
ニート デザイナー 西野大士さん
高精細でモノをしっかり見せる写真が必ずしも正義じゃない、と気づかせてくれたのがこのカメラでした。きっかけは、ウチのパンツを置いてくれているショップの方が使っていたこと。着用写真を撮ってくれたんですが、見比べたらなんだか味が全っ然違う。まったく同じ状況なのに、ですよ?
もともとシグマの一眼レフカメラを使っていて、そのクオリティには満足してたんですが、味のある写真を撮るとなると使いこなせてない部分があったんですね。
少し勉強すれば誰でもキレイな写真が撮れちゃう今の時代、むしろ僕が撮りたかったのは、ニートというブランドが持つムードを伝える写真だったんじゃないか?ってハッとしました。さっそく新宿のカメラ屋さんに走りましたね。
「富士フイルム」はフィルム事業から始まったメーカー。もちろんキレイな写真も撮れるんですが、フィルムが持つさまざまな味を再現した「フィルムシミュレーション」を簡単に設定できるのがこのカメラ最大の持ち味なんです。その設定はなんと17通りもあって、何気ない写真の雰囲気がどれも抜群にイイ!
レトロな外装やシャッター音も使っていて心地よく、プライベートでも持ち出したりして。今やニートに欠かせない相棒になっています。
FUJIFILM[富士フイルム]
フジフイルム エックスプロ3
レンジファインダーカメラに則ったレトロなミラーレス。アナログのメモホルダーを模したモニター付き。「FUJIFILM X-Pro3(ブラック)」実勢価格20万6000円前後(富士フイルムデジタルカメラサポートセンター)
ニート デザイナー
西野大士(にしのだいし)
1983年生まれ。元教員という異色の経歴を持ち、販売員やプレスを経験したのちにパンツ専業ブランド、ニートを設立。現在はPR会社、にしのやも主宰。5年ほど前から、SNS用に自身で写真を撮り始めた。
※表示価格は税込み
[ビギン2021年9月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。