特集・連載
インテリアスタイリスト 遠藤慎也さんをめぐる、これからのシン・スタンダードとは #004
100人をめぐる、これからのシン・スタンダード モノを持たない風潮の今、本当に価値のあるモノってなんだろう? 身の丈に合わないモノはいらないし、ファストな使い捨てモノなんてもっといらない! とはいえ一切無駄を省いた生活もなんだか味気ないような……。大切なのは、何を所有するかよりも、どう向き合うかという視点。モノ選びの賢人たちは今、何を選び、どんなライフスタイルを志向するのか? 100人への取材を通じて、これからのスタンダードを探ります。 この記事は特集・連載「100人をめぐる、これからのシン・スタンダード」#04です。
「なぜこれで飲むかって? 底に山があるからだ!」
インテリアスタイリスト 遠藤慎也さん
忙しすぎてアウトドアに行く時間がない……。ストレスフルな日々が続くなかで集め始めたのが“山”モチーフのグッズでした。いわば現実逃避(笑)。タペストリーやスノードーム、自作のウォールアートなど、どんだけ山が好きなんだってくらい部屋の中が山だらけになりました。
加えて気軽にお酒を飲みに行けなくなった今、特に気に入っているのが、「ノースドリンクウェア」のタンブラー。ショップで見た瞬間、ビビッときて衝動買いしました。
山を愛する3人のアウトドアマンがオレゴン州ポートランドで立ち上げたデザインプロジェクトで、なんとUSGS(アメリカ地質調査所)の地形データを基に、忠実に描かれた山の輪郭がグラスの底に象られているんです。
このタンブラーは、ワシントン州にあるカスケード山脈の最高峰マウント・レーニア(4392m)。とにかくリアル。ドリンクを注ぐと、山の稜線が一層ドラマチックに際立つ、その雄姿がいい。オレゴン州の工場で手吹きで作られるグラス自体もいい味出しています。
山の麓でソロキャンプをする情景を思い浮かべながら、仕事終わりにウイスキーを傾ける。それが、アウトドアに行きたくても行けないストレスから解放される、かけがえのないのひとときですね。
NORTH DRINKWARE[ノースドリンクウェア]
“マウント・レーニア”タンブラー
メイド・イン・オレゴン州の手吹きグラス。ヨセミテ国立公園のハーフドームや、富士山モチーフなどもラインナップされている。「ザ・ワシントン タンブラー」237ml。9900円(ナイスタイム マウンテン ギャラリー)
インテリアスタイリスト
遠藤慎也(えんどうしんや)
1984年生まれ。雑誌、広告などのインテリアスタイリングのほか、住宅展示場や店舗のディスプレイなども手掛ける。近著に『インテリアスタイリストのネタ帖』(三才ブックス刊)。キャンプがライフワーク。
※表示価格は税込み
[ビギン2021年9月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。