特集・連載
ループウィラー代表 鈴木 諭さんをめぐる、これからのシン・スタンダードとは #003
100人をめぐる、これからのシン・スタンダード モノを持たない風潮の今、本当に価値のあるモノってなんだろう? 身の丈に合わないモノはいらないし、ファストな使い捨てモノなんてもっといらない! とはいえ一切無駄を省いた生活もなんだか味気ないような……。大切なのは、何を所有するかよりも、どう向き合うかという視点。モノ選びの賢人たちは今、何を選び、どんなライフスタイルを志向するのか? 100人への取材を通じて、これからのスタンダードを探ります。 この記事は特集・連載「100人をめぐる、これからのシン・スタンダード」#03です。
「旧式オーディオを肩肘張らずに愉しむために」
ループウィラー代表 鈴木 諭さん
山下達郎さんが音楽に込めた魂まで聴き取りたい。僕が旧式オーディオの世界にどっぷりハマるようになったのは、若い頃から心酔する彼の音楽への思いがあったから。
独特の音域や息づかいまで体感するためには、人間に聞こえない周波数帯域までカットされないアナログ盤を、旧式アンプとスピーカーで聴く必要があったわけです。言わばレコードをセットして針を落とし“正座して聴く”世界。
それはそれで満足感を得られますが、仕事をしながらとか、ご飯を食べながら聴くには不釣り合い。今の時代ならデジタルでも十分だろうと思い、高性能なワイヤレスレシーバーをネットで探して見つけたのがコレでした。
正直あまり期待していませんでしたが、使ってみると音の再現性に不満ナシ。正直これは驚きでした。タブレットから音楽を飛ばして、1950年代製のマッキントッシュ真空管アンプとJBLスピーカーで聴くなんて、ちょっと前までは考えられないことですからね。しかも山下達郎さんの音楽を聴いても満足できるサウンドクオリティで!
オーディオに凝ると難しいことばかり気になりがちですが、それではちょっと窮屈。このワイヤレスレシーバーが、音楽をもう一度“肩肘張らずに愉しむ”ものに変えてくれたんです。
Audioengine[オーディオエンジン]
ブルートゥースレシーバー
スマホなどからどんなアンプにも接続できるワイヤレスレシーバー。aptX HDコーデック対応で、最上級のサウンドが体感できる。最大レンジは30m。「B1プレミアムブルートゥースレシーバー」2万3430円(コペック)
ループウィラー代表
鈴木 諭(すずきさとし)
1959年生まれ。繊維商社などを経て、1999年に「ループウィラー」をスタート。旧式吊り編み機による“世界一正統なスウェット”を作り続ける。ブランド設立と同じ頃から、旧式オーディオの世界に傾倒。
※表示価格は税込み
[ビギン2021年9月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。