特集・連載
ナイジェル・ケーボンの名作・士官シャツは100回洗って真の姿になる
ブランド大研究2021 恒例「ブランド大研究」今年も開催! いつの時代でも揺るがない“ブランドの力オーラ=絶大な安心感”を持つ名作を、「なぜ便利?」「なにがすごい?」「比べてみて……」etc.とあらゆる角度で検証、“使える!!”をわかりやすく解説します。知られざる隠れ傑作から希少なレアモノまで、もれなく紹介。情報過多に惑わされずココから選んで、“買ってよかった~♡”を実感ください! この記事は特集・連載「ブランド大研究2021」#11です。
名作って一見ベーシック(普通)に見えても、作り手の話を聞くと、マジ!?ってな仰天話があるもの。じつはナイジェル・ケーボンの名作・士官シャツにも驚きの実証結果が出たそう! 緊急レポートします。
シャツなのにエイジングをとことん堪能できる!(ナイジェル・ケーボン メインライン チーフデザイナー ZUKIさん・談)
ジャケット、軍パンをはじめ、ナイジェル・ケーボンには多くの名品がありますが、シャツでいえばブリティッシュオフィサーズシャツがその代表ですよね。英国陸軍の士官シャツをベースに、シンプルに仕上げたオックスフォードシャツで、スタッフの間でも着回しに大人気だとか。デザイナーのヅキさんは次のように語ります。
「オフィサーズシャツは2008年の発売から多くのスタッフが、何年も何度もガンガン洗濯を繰り返して着てきました。ただ数年前にお客さんの声を聞いて、気付かされたことがあったんです」。
海外の取り扱い店にて、お客様からこんな言葉をかけられたそう。
「『オフィサーズシャツはとてもタフだよね。糸はほつれない。ボタンも天然の白蝶貝なのに何年着ても割れない。こんなシャツなかなかないよ』と話をしてくれたんです。するとスタッフ一同、たしかに!と顔を見合わせましたね」。
「私もそうでしたが、スタッフに聞いても誰一人ボタンが欠けず、糸のほつれもなかった。たしかに頑丈な作りだけど、ここまで欠損なく使えるシャツって他に思い付かない。普通は洗濯を繰り返すうちにどこか糸がほつれたり、ボタンが欠けたりしますから」。
「そこで検査機関で正式にオフィサーズシャツの耐用実験をしてみたのです」。
実験は家庭用洗濯機でガラガラ洗濯、乾燥を繰り返すもの!
(左)新品 (右)100回洗い
「一般的なテストは10~15回ですが、オフィサーズシャツは思い切って100回にしてみました。すると実験した3枚のうち、2枚は糸のほつれすらなかった。これは驚異的な耐性で、柔らかな着心地、素材の風合いは一段と増していました。実際に袖を通して洗濯を繰り返すと、また味わいが違うと思います」。
「私たちも愛着が湧いて着続けてきたように、生地~縫製まで頑強なオフィサーズシャツは、シャツでエイジングを楽しめるんですよね。ナイジェル・ケーボンのアイテムはお客様が着込んで完成します。ぜひ自分色に育てて、気に入ってもらいたいですね」
教えてくれたのは
ナイジェル・ケーボン メインライン チーフデザイナー
ZUKIさん
ヴィンテージの知識は勿論、ブランドの肝でもあるテキスタイルにも精通。ナイジェルの15年以上の右腕的存在。
NIGEL CABOURN[ナイジェル・ケーボン]
士官シャツ
糸から開発したタフで美しいOX地もエイジングに◎。洗うほどにしなやかさが増し、ミリタリーシャツらしい風格も高まる! 2回ずつ糸を通すボタン付けも丈夫さの秘訣だ。各2万900円(アウターリミッツ)
since:1971
country:イギリス
ヴィンテージミリタリー、アウトドアウェアの世界的コレクターである同氏の名を冠したブランド。考古学級の知識から生まれる素材開発も世界に類を見ない存在だ。
※表示価格は税込み
[ビギン2021年5月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。