特集・連載
今さら聞けないコーチのグラブタン・レザートートの3つのこと
当たり前の名革靴&名レザーカバン レザーシューズ&カバンは「当たり前」が一番。値も張るしね。ここでは、男の普遍ワードローブをピックアップ!でも、ド定番だけに「あ~、ハイハイ……」とぶっちゃけ知ったかぶった経験あるでしょ? 今さら聞けない(泣)コトをガッツリ“ご本人”に取材したので一夜漬けでこっそり復習を♡ この記事は特集・連載「当たり前の名革靴&名レザーカバン」#18です。
「レザートート」の当たり前
【コーチ】グラブタン・レザートート
1941年、マンハッタンにて創立。革小物工房にルーツを持つコーチを象徴する素材といえば「グラブタン・レザー」だけど、そのレザートートに“歴史的”な価値があるって知ってた?
country:アメリカ
野球のグローブをヒントに開発されたって意外でしょ?
COACH[コーチ]
グラブタン・レザー メトロポリタン トート
コーチのビジネス鞄を代表する人気モデル。無駄のないデザインが、グラブタン・レザーの豊かな風合いを際立たせている。PCスリーブももちろん装備。W45×H32×D13cm。9万2000円(コーチ・カスタマーサービス・ジャパン)
“ご本人”に質問
Q1.野球のグローブと関係あるの?
A.野球経験者ならわかってくれると思うけれど、グローブのレザーの風合いって独特のイイ味があるでしょ? 厚みがあるのに柔らかくて、使い込むほどにしっとりと手に馴染んでいく……。
コーチの創立者であるカーン夫妻らは、そんな野球のグローブの風合いに魅せられて「グラブタン・レザー」を作ろうと思い立ったんだ。誕生は1958年のこと。それ以来、コーチのクラフトマンシップを象徴する存在になったというわけさ。
“ご本人”に質問
Q2.グラブタン・レザーって何が凄いの?
A.時速140キロで飛んでくるボールを受けるミットと遜色ない強度に、豊かで上質な風合い。コーチの創立者たちはこれらを併せ持つ素材を思い描いて、グラブタン・レザーを作ったんだ。バターのように柔らかく、しっとりした風合いの虜になる人も多いよね。
ちなみにこの革は、クロームなめしの後に植物タンニンなめしを経て完成する。端正なばかりでなく、表情に深みが出るんだ。顔料染め特有の発色のよさも褒められるよ。
クラシックなブラス金具との相性も最高だよね
“ご本人”に質問
Q3.初めてレザートートを作ったのはコーチなの?
A.そう言われているよ。’60年代にバッグ作りを始めたコーチは、今も伝説的な名声を誇る初代デザイナー、ボニー・カシンを迎えたんだ。
それまでのトートバッグは、オリジン同様のキャンバスばかり。お洒落の要素はなく、あくまでツールという位置付けだったんだけど、彼女はそこに革命を起こし、色とりどりのレザーでトートを作った。これがレザートートの祖──ひいてはファッショントートの先駆けと言われているんだ。
※表示価格は税抜き
[ビギン2021年4月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。