骨太な復刻が信条。タイメックスの復刻モデル

1世紀半を超える歴史を誇るタイメックスのアーカイブには、多種多様な名作が存在。その復刻モデルに共通する魅力は、歴史に根差した“骨太さ”があることです。

1854年、米・ウォーターベリーにて誕生

ペリー来航の翌年、1854年に「ウォーターベリー・クロックカンパニー」として創業。壁掛け時計に始まり懐中時計、ミリタリーにアウトドア、スポーツウォッチと裾野を広げていったタイメックスには、ジャンルを問わず多くの名作が存在します。

復刻時計が魅力を宿すのも、骨太なレガシーあってこそ。トップの写真は一例ですが、それぞれに語れる蘊蓄があるのはもちろん、インデックスの太さにまでこだわって再現するなど、オリジンへの敬意が随所から感じられます。そう、その復刻は歴史の重みに根差した、名ばかりでない復刻なのです。

TIMEX［タイメックス］
MIDGET（ミジェット）

懐中時計に“ワイヤーラグを付けて”腕時計とした、1917年誕生の「ミジェット」を復刻。オリジンは軍の依頼で作られた、アメリカ最初期の軍用時計だった。完売。
 

TIMEX［タイメックス］
SAFARI（サファリ）

映画『7月4日に生まれて』の劇中でトム・クルーズが着用し、’90年代に大ヒットしたアウトドアウォッチを復刻。図面が残っていなかったため、復刻作は3Dスキャンを用い型から忠実に作り直した。完売。
 

TIMEX［タイメックス］
CAMPER（キャンパー）

ベトナム戦争時に開発されたキャンパーのオリジナルver.を復刻。「オリジナルキャンパー」は従前モデルとは異なり、ドーム風防や艶やかな樹脂製ケースを搭載する。原点に忠実な無骨な顔立ちは、ファッション業界にもファン多し。径36mm。8300円。
 

TIMEX［タイメックス］
IRONMAN（アイアンマン）

世界で最も売れたといわれるスポーツウォッチを復刻。オリジンの登場は1986年。スタイリッシュなのはもちろん、押しやすいよう前面に主要ボタンを配したデザインが、ランナーを魅了した。完売。

突然ですが……
Q.そんな骨太復刻が得意なタイメックスの今まさに最高の復刻はなんでしょう？

答えは……「Q」!?
“時計史”をその名に刻む伝説的モデルを復刻！

アメリカで「Q」というと横断するあのクイズが思い浮かびますが、今狙うべきアメリカの国民時計の復刻作は？と問われれば、答えは断然「Q」。時計の王道をなぞる文字盤デザインに、角張った台座、細かな編み込みブレスが印象的な「Q タイメックス」でございます！

問答無用にブッ刺さるレトロモダンな顔つきもさること、ムーブメントの主流が機械からクォーツへ移る過渡期の1979年に生まれた本作は、そんな時計史を象徴する存在。

2019年にまずアメリカで復刻発売されて、即完売。プレミアまでついたという逸話が、唯一無二の魅力を物語ります。

加えてポップでもあり上品でもあるオン・オフ不問のバランスは、今の気分そのもの。週7主役張れて2万円台は、まさにワンダフル!!
 

オリジナルは1979年の“ペプシベゼル”

赤×青の忠実復刻ほか多彩なカラバリ、先祖返り？な機械式モデルにも注目！

TIMEX［タイメックス］
Q TIMEX（Q タイメックス）

クォーツの頭文字を冠したモデルの復刻作。顔であるアルマイト加工の回転ベゼルやデイ・デイトのほか、電池交換が簡単な裏蓋の仕様も踏襲。しれっと登場した自動巻きver.もアツい。SSケース。径38mm。シルバー各2万2000円。イエロー＆ローズゴールド各2万3000円。自動巻きは径40mm、3万3000円（ウエニ貿易）

“カジュアル時計の老舗”ってじつはタイメックスだけ!!
1854年創業

左／ゴードン・バーナム　右／アーロン・ベネディクト

真鍮加工業を営んでいたベネディクト＆バーナムによって、コネチカット州ウォーターベリーに設立。いち早く大量生産に着手し、大衆には手の届かなかった壁掛け時計を安価に提供したのが、国民的時計メーカーの第一歩だった。

ちなみに犬の写真は、1965年の広告より。タイメックスのフランクさを象徴するものだ。
 
※表示価格は税抜き

［ビギン2021年4月号の記事を再構成］写真／谷口岳史　文／秦 大輔