特集・連載
挑戦し続ける老舗革鞄ブランド[土屋鞄製造所]
W字とV字が財布の可能性を広げた!? 土屋鞄製造所のジップウォレット
今月のマンスリーDig いつの時代も、まだ見ぬ良品を欲するはモノ好きの性。ここでは、毎月編集部が見つけた掘り出し物をゴールドラッシュ時代の採掘者さながらに深掘り! 好奇心と物欲のおもむくまま、ディグしていきます。 この記事は特集・連載「今月のマンスリーDig」#03です。
いつの時代も、まだ見ぬ良品を欲するはモノ好きの性。ここでは、毎月編集部が見つけた掘り出し物をゴールドラッシュ時代の採掘者さながらに深掘り! 好奇心と物欲のおもむくまま、ディグしていきます。
マチがW字とV字!? 画期的な新構造
土屋鞄製造所
上/プレーンヌメ Lファスナー
下/ディアリオ ハンディLファスナー
上のヌメ革は、上質な原皮をベルギーの名門タンナーが植物の渋でなめした贅沢なもの。対して下の“オイルメロウレザー”は植物タンニンなめしの北米産ステア。オイルたっぷりで艶も十分。上/W11.5×H9×D1.7cm。1万6500円。下/W11.6×H8.8×D1.9cm。1万2650円。
手のひら財布の可能性を広げるW字とV字開きを発見!
(編集部 オオキ)
ポケットにもすんなり入るし、見た目もスマートなL字ジップのウォレット。あえて難点を挙げるとすれば、中身がやや取り出しにくく、視認しにくいことでした。でも、このウォレット、小銭もお札もカードまでもがまあスンナリ出し入れできるし、中身も一目瞭然なんです!
その秘密が、これまで開閉の軸となっていた中央の一辺。従来は固定されていたところを蛇腹状や、V字に大きく開く形状にすることで、しっかり左右に広がります。
このアイデアを採用した土屋鞄製造所はランドセル作りから始まった老舗で、この柔軟な発想も、誰もが小学校時代にお世話になったあの鞄の実用性を思い返せばしっくりくるはず。
マチに待った……なんて言いたいところですが、この発想は意外と盲点で、ありそうでなかったもの。エイジングが楽しめる上質レザーも相まって、これから長い付き合いを約束してくれそうです。
3層構造で大きく開口する
視認性のよさはこの通り。マチが付いたことで、中身が増えたときにジップを閉じても表面に響きにくくなったのも大きな利点。裏側の床面は毛羽立ちを抑えた上品なデザイン。
W字開き
V字に開く小銭入れで見やすい&取り出しやすい
こちらはV字のマチを取り入れたコンパクト設計。それによって中央のコインケースが大きく開き、収納力も高くなっている。出し入れもかなりスムーズ。
V字開き
(問)土屋鞄製造所
☎ 0120-907-647
https://tsuchiya-kaban.jp/
※表示価格は税込み
[ビギン2021年5月号の記事を再構成]写真/上野 敦 ダリウス・コプランド(以上、プルミエジュアン) 文/今野 壘 イラスト/TOMOYA