特集・連載
東京を代表する焼きとんの名店「鳥茂」のおいしさの秘訣は業務用ペンキのハケ!?
プロ愛用の調理器具でLet's クッキング! 巣籠もり期間中に料理に目覚め、気がついたらクックパッドやレシピ本を漁るようになったそこのアナタ! そろそろ料理ギアも物足りなくなってきたのでは!? そこで今回は料理の超神たちのとっておきのおウチで使えるマル秘グッズをリサーチ!! 使って楽しい、食べておいしい、調理器具で気分もアゲていきましょう!! この記事は特集・連載「プロ愛用の調理器具でLet’s クッキング!」#05です。
名店の味の秘密を本邦初公開!?
「料理誌でも話したことがないんだけど、ウチでは焼きにペンキのハケが欠かせない。こんなことしてるの、ウチくらいじゃない?」。
鳥茂は焼きとんの名店。ゆえにたれを塗るためかと聞くと、「塩だね。たれでは使わない。串焼きに塩を振ると、そのままじゃまばら。ならして塩分の調整をするの」。
「あと仕上げにバターを塗るためだね。うちは元々洋食屋でね。ステーキにバターをのせるでしょ? これをヒントに、焼きとんで試したらうまかったのよ。家庭やBBQで隠し味にするのもいいよ」。
でもなぜ、業務用ペンキのハケを?
「これが一番丈夫だから。焼き台は1000度あって、普通のは毛が抜けちゃうんだ。それでいろいろ試して、業務用の丈夫なハケに行き着いた。家でなら業務用でなくとも、塩分をならすのがおいしさの違いになると思うよ」
「本当は企業ヒミツなんだけどね」
―鳥茂 三代目大将 酒巻さん
業務用ペンキの
ハケ
ホームセンター等で売られている、業務用ペンキを塗る丈夫なハケ。ちなみに鳥茂では近所の新宿髙島屋で購入している。酒巻さんがお店で使うハケは、熱で3分の1の毛が抜け落ち、安定した状態になるまで一年を要したものだ。
塩を満遍なくならす
一般的には塩を振りかけるだけだが、酒巻さんは味にばらつきが出ないよう、ハケで満遍なくならしている。また食べ飽きないよう、串の後半にかけて徐々に塩分を薄める丁寧な仕事も、鳥茂のおいしさの秘訣だ。
愛用するプロ
鳥茂
三代目大将 酒巻祐史さん
昨年70周年を迎えた、昭和25年創業「鳥茂」の三代目。23歳で店を継ぎ、今や東京を代表する焼きとんの名店といわれる。大将の目の前のカウンターは特等席だ。
鮮度抜群な素材を丁寧に下処理し、熟練の焼き技で供する焼きとんは、まさしく別格! 同店が考案したピーマンの肉詰め、創業から71年も継ぎ足しているたれ焼きも絶品だ。
住所.東京都渋谷区代々木2-6-5
☎03-3379-5188
※表示価格は税抜き
[ビギン2020年12月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。