芸術の国・イタリアで興った革新デザイン時代

古くから芸術・美術が盛んな国・イタリア。世界大戦から復興を遂げた芸術の国が息を吹き返します。得意とするのは実用性を備えながら遊び心をプラスしたインテリア。今までにない画期的なアイデアで、世界のインテリア業界を席巻したのです！

［1962］無造作に見えて計算しまくり！な幻想的ランプ

OLUCE［オールーチェ］
アクリリカ

台座から放たれた光は飛び出すことなくアクリル板の中を屈折して進み、断面が幻想的に光るデスクランプ。このユニークな照明は、コロンボの電気部品工場での経験と苦労に苦労を重ねた角度調整の賜物なのだ。W24×H23×D26cm。57万1000円。（スタジオノイ）

幻想的に光るランプは苦労を重ねた角度調整の賜物

ジョエ・コロンボ

［1962］重い大理石で足元を支える伊発の大型照明

Flos［フロス］
アルコ

街灯をモチーフに作られた大型照明は、天井工事なしでスポット明を可能に。Φ32×H230×D220cm。26万円。（日本フロス）

カスティリオーニ兄弟

［1967］世界初の一体成形チェアは長年の悲願だった！

Vitra［ヴィトラ］
パントン チェア

1960年代初期から開発を始めていた一体成形チェアが完成したのは後半に差しかかって。素材や製造方法など、長年の試行錯誤を経てパントンの悲願に漕ぎ着けたってワケ。美しい造形と手頃な価格で大ヒットを記録。W50×H83×D61cm。3万3000円。（ヴィトラ）

長年の試行錯誤を経て完成した一体成形チェア

ヴェルナー・パントン

［1969］柔らかなタッチと強調した曲線で母性を表現

B＆B Italia［B＆B イタリア］
UP5_6

ウレタン素材で母性を表現。真空パックの梱包も大きな話題に。W120×H103×D130cm。オットマンΦ57。86万円～。（B＆B Italia）

ガエタノ・ペッシェ

［1970］家業が禁止され悩んだ末に生まれた名脚

FUJIEI［藤栄］
ニーチェアエックス

考案した新居の実家は剣道具の製造会社。戦後GHQに剣道が禁止され、その技術を生かせる職をと行き着いたのがチェア作り。丈夫で快適、しかも折り畳める本作は、日本随一のリラックスチェアとも言える傑作定番だ。W61×H76.5×D86cm。3万8000円。（藤栄）

剣道具の製造技術を生かして作られた日本随一のリラックスチェア

新居 猛

［1970］今もプロの現場を支え続ける便利＆お洒落なワゴン

B-Line［ビーライン］
ボビーワゴン

製図現場用ながら、4面全てが使える構造が画期的すぎて一般に売られるように！　W43×H74×D42cm。5万4000円。（メトロクス）

ジョエ・コロンボ

［1971］手織りで正弦曲線を形にするスゴい職人技

LE KLINT［レ・クリント］
172

プラスチックペーパーを職人が手織りすることで、優美な光の拡散を楽しめる本作。一人前の職人になるには10年かかるとも言われ、職人は一人前を目指して修行の毎日なんだとか。今もなお絶大な人気を誇るベストセラー。Φ33×H31cm。5万円。（スキャンデックス）

修行した職人がプラスチックペーパーを手織り

ポール・クリスチャンセン

［1972］段ボール家具を再構築した強靭なチェア

Vitra［ヴィトラ］
ウィグル サイド チェア

自動車をも支える強度の段ボール製チェア。クネクネとうねる脚からウィグルの名に。W61×H87×D35cm。9万4000円。（ヴィトラ）

フランク・ゲーリー

 
※表示価格は税抜き

［ビギン2020年12月号の記事を再構成］文／編集部　イラスト／TOMOYA