特集・連載
上質素材のニューノーマル研究【ダイニーマ®ボンデッドレザー編】
一点上質主義 これから先どうなっちゃうの〜!?って、こんな時代に欲しいモノがあっても買えないよ(涙)って人も多いことかと。不要不急の外出はせず、買い物は生活必需品だけ……、という窮屈な日々に改めて気づかされるのは「いらないモノはいらない」という当たり前の真実。それならば! こんな時代だからこそ、「これさえあれば」を考えるのが“GOOD LIFE BIBLE”たるビギンの使命。徹底的に無駄を省いて、「これから」の生活を豊かにしてくれる“いいモノ”を一点だけ買い足してみませんか? というのが本特集のご提案です。 この記事は特集・連載「一点上質主義」#19です。
創業以来、鞄の可能性を切り拓く革新素材を採用してきた吉田カバン。創業85周年の節目を迎えた今季も、さまざまな分野で活躍する世界最強の繊維と上質レザーをかけ合わせた、最先端ファブリックの製品化にトライ!
鉄の15倍も丈夫で
りんご1個分の軽さなのに重厚感を放つ本格なめし革
(株式会社 吉田 岡田博之さん・談)
2004年から展開する定番シリーズ「フリースタイル」。“レザーの風合いを気軽に楽しむ”をテーマに、キャンバスにポリウレタンを圧着した“レザー見え”の素材を使っていましたが、創業85周年を機に新たにダイニーマ®ボンデッドレザーを採用しました。
防弾チョッキにも使われる世界最強の繊維「ダイニーマ®」
これは世界の名だたるメゾンにもレザーを供給するオランダのエコーレザー社と、高強度なポリエチレン繊維、ダイニーマ®を生んだDSM社が共同開発したもの。ダイニーマ®は防弾チョッキや登山用ロープなどに使われ、過酷な環境下にも耐え得る世界最強の繊維ともいわれています。
ダイニーマ®ボンデッドレザー
そんなダイニーマ®を、厚さ0.4~0.6mmと極限まで薄くした上質な牛革と張り合わせることで、レザー本来の風合いをまったく損なうことなく、軽さと強度を両立。これまでにない、まさに革新的なハイブリッドレザーなんですね。
その強度はなんと鉄の約15倍!にもかかわらず、トップの写真のショルダーバッグの重量は340gとりんご約1個分!!の軽さに仕上がっています。
鉄より強いレザーゆえギザギザ形状の“波刃”を備えた特殊な抜型で裁断
ただ鉄より強いだけあり、鞄に落とし込むのは至難の業でした。通常の抜型ではまったく歯が立たず、波刃という特殊な形状の刃を備えた抜型でなければ裁断できないうえ、生地が重なる部分の縫製もまた難しい。
腕利きの職人が製作する吉田だからこそ、日本の鞄メーカー初となるダイニーマ®ボンデッドレザー製の鞄を完成させることができたと自負しています。
PORTER[ポーター]
ポーター フリースタイル ダイニーマ®レザー
ショルダーバッグ
軽量で丈夫なダイニーマ®と牛革を一体化させた素材を使用。原皮の測定からなめしまで一貫管理されたエコーレザー社の革は、独特の風合いによる上品さと重厚感を備える。W33×H18×D10cm。4万1000円。(吉田)
株式会社 吉田 広報
岡田博之さん
’02年入社後、営業職を経てプレスに転身。同社のプロダクトに関しては素材も仕立ても知り尽くし、各メディアからの信頼も厚い。
※表示価格は税抜き
[ビギン2020年10月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。