特集・連載
「じつはミリタリーカトラリーが、じわじわトレンドになってます」
これさえあれば!のアウトドア名作 外出自粛を求められる今、せめて気分だけはアウトドアを取り入れたい! そんなアナタは、まずはこの特集を是非是非読んでほしい! ビギンが自信を持って「コレさえあれば!」とプッシュできる、今どき名作を豊富に取り揃えています♪ たとえ、今すぐ行かなくとも、揃えておけば来年、再来年、10年後だってアウトドアが楽しいまんま! さあ、フィールドに備えましょう! この記事は特集・連載「これさえあれば!のアウトドア名作」#10です。
アメリカ陸軍、スウェーデン軍、ハンガリー軍、ドイツ軍。各国で採用され、それぞれに個性を持つミリタリーカトラリーがキャンプシーンを中心に人気となってます。なぜ今、求められているのか? その理由に迫ります。
お話を聞いたのはこの方
ハレル 店主
加瀬隆善さん
都内の古着店に長年勤務後、独立。2014年にDual Thinkingを合言葉にしたショップ「hallelu(ハレル)」を中目黒にオープン。
男心をくすぐるカトラリーセット
もともと個人的にキャンプをやっており、使っているキャンプギアの荷物をどんどん減らしてコンパクト&ミニマム化していくなかで、注目したのが一体型ミリタリーカトラリーでした。
英語でベースキャンプという名前がある通り、考えてみれば陸軍は野営……言ってしまえばキャンプのプロ。彼らが使うギアの非常に合理的かつ男らしい無骨なデザインが魅力だったんです。
現在の一体型ミリタリーカトラリーのデザインの原型が生まれたのは恐らく’70年代。スプーン、フォーク、ナイフ、缶切りの4機構を備えており、とくにハンガリー軍は現在もほぼ変わらないデザインで生産が続いています。
一体型はコンパクトで使いやすいのもモチロンですが、じつは適度なサイズ感もポイント。携帯用にありがちな子供サイズのようなカトラリーではなく、頑丈で大ぶりなカトラリーは食事以外に調理器具としても活躍します。取り分けに使ったり、カレー鍋を回したり、2セットもあれば十分なんですね。
そうそう、私自身は缶詰をキャンプに持っていかないので、缶切り機能が省かれている軽量なスウェーデン軍のものを愛用しています。このように同じ一体型でも軍によって微妙に仕様が異なっており、刻印のデザインの違いもまたコレクター心をくすぐられますね。
この一体型カトラリー以前はUSAのもののようにアルミ製で単体独立しており、持ち手の部分に引っ掛けるための穴があるタイプが主流でした。こちらはアウトドアユースというより、実際に家で愛用している業界人も多くいて、コピー商品が作られるほど人気です。
とはいえ価格はどれも2000円台程度とリーズナブル。6年前に中目黒に店を開いて以来取り扱っていますが、いまではミリタリーギアの中で一番人気のアイテムになっています。
商品の性質上、ほぼデッドストックを仕入れて販売していますので、なくなる前にお気に入りのミリタリーカトラリーを見つけてみてください。
Military Cutlery[ミリタリーカトラリー]
右からアメリカ、スウェーデン、ハンガリー、ドイツ軍のもの
アメリカ軍のものはアルミ製で、他にナイフとスプーンなどが官給されていた。スウェーデン軍はスプーン、ナイフ、フォークがセットになり、ハンガリー軍とドイツ軍は缶切りを加えた仕様で、いずれもステンレス製だ。右から1500円、2400円、2900円、2400円。
hallelu(ハレル)
店内にはミリタリーウェアやアウトドアギアなど、ここにしかないものが揃っている。
住所.東京都目黒区上目黒1-19-1 高野ビル1F
☎ 03-5734-1946 営業時間:14:00~21:00 定休日:水曜
※表示価格は税抜き
[ビギン2020年7月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。