特集・連載
大切なのは喪に服す気持ちを表すこと。葬儀の装いは“無個性”が正解なのです
スーツスタイルの超基本 ビジネスとカジュアルの境目があいまいになっている昨今。だからといって、スーツの着こなしに関わる常識をおざなりにするってのは、服好きとしてナンセンスです。本特集で、ビジネスシーンから冠婚葬祭までの超基本10大事項をこっそりおさらいしましょ♪ この記事は特集・連載「スーツスタイルの超基本」#09です。
亡くなった方やご家族に、喪に服す気持ちを表す――そんな葬儀の場でめかし込もうなんてのは失礼千万!装いは無個性でイイのです。
葬式スタイルは……“無個性こそ最大のマナー”と心得よう
黒スーツと白シャツ、黒タイに黒靴。葬式に列席するときには、これらを着用する!ということは、常識として誰もが知っています。
でも、細かいところで残念なマナー違反を犯している人が、何と多いことか!たとえば、黒スーツではあるけれど生地が艶やかだったり、黒タイを締めてはいるけれど洒落たディンプルを入れていたり……。
これでは「弔事だってのになんでめかし込むんだ!」と後ろ指を指されても文句は言えません。慎むのがマナーであり、正解なのです。
大切なのは喪に服す気持ちを表すこと
ザ・スーツカンパニーのスーツ2万8000円、同シャツ7800円、同タイ3800円、ユニオンインペリアル×ザ・スーツカンパニーのシューズ2万8000円。(ザ・スーツカンパニー銀座本店) 数珠はスタイリスト私物。
喪服のスーツ生地はマットなベタ黒が正解
装いがもし華やかな印象に映ってしまえば、葬儀の場で浮いてしまう。だから葬式では、黒スーツでも艶やかなものは避け、マットなベタ黒を選ぼう。
不幸が“重なる”からダブルの裾はNG!?
上記の意味付けはじつに日本人的だが、そもそもフォーマルな場で穿くパンツはシングルの裾が絶対だ。
靴はもちろん黒のストレートチップが最善
弔事の絶対NG! 4大事項
繰り返し言いますが、葬式の装いでめかし込む行為はマナー違反。やりがちな4つの間違いがこちらです!
[1]いつもどおりタイにディンプルを入れる
お洒落さんに多い間違いだが、ディンプルの華やかさは場にそぐわない。喪に服す意を伝えるためにも、普通に結ぼう。
[2]アクセサリーを着けたまま列席……
装飾品のうち、唯一着けていてもいいアクセサリーは結婚指輪。通夜の席でも、それ以外は外して臨むのが礼儀だ。
[3]白シャツだけど衿がボタンダウン
BDシャツは、ポロ選手の服に着想を得て生まれたという、スポーティな出自を持つもの。フォーマル全般に馴染まない。
[4]覗いたソックスが黒じゃない……
たとえ控えめなグレーであっても、ソックスは黒以外NG。柄入りなんてもってのほかだ。必ず黒無地を選ぼう。
※表示価格は税抜き
[ビギン2020年5月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。