クォーツなのに、機械式みたいに秒針がスイープ運針する激レア時計

秒針が文字盤上を滑らかに進む様子には、思わず見入ってしまいます

時計の秒針には、滑らかに進むスイープ運針と、秒単位で進むステップ運針があります。そして機械式時計の多くがスイープ運針なのに対し、クォーツでは基本的にステップ運針。が、じつは稀にスイープ運針のクォーツ時計もあるんです。ここに紹介する時計は、そうした超レアな存在といえましょう。

トリフォグリオ イタリアは同国の工業デザイナー、アレサンドロ・バルディエリ氏が2010年に設立した時計ブランドです。これまでに回転ディスク式モデルや、クルマのスピードメーターやラジオに触発されたレトロテイストなモデルなどを展開。いずれにおいても一貫して機械式だったのですが、この新作「M8」で初めてクォーツにチャレンジ！　バルディエリ氏によれば「機械式時計は初心者にとってハードルが高すぎる」との声に応えることで時計ファンの間口を広げたいとの意図から、精巧でありながら価格を抑えることができるクォーツモデルを製作したそうです。

しかも秒針がステップ運針ではなく、数多あるクォーツムーブメントの中でも極めて珍しいスイープ秒運針式ムーブメントのセイコー製「cal.VH-31」を採用しているというところに、このブランドのコダワリと心意気が実感できます。

カチカチカチッと動くステップ運針も魅力的ではあるけれど、秒針が文字盤上を滑るように進む様はなんとも心地よく、思わず見入ってしまうもの。もちろん機械式なら、その味わいが楽しめるわけですが、もっと気軽に堪能してみたいという人にはズバリッ、このトリフォグリオ イタリア「M8」が超オススメ。また、時計道のエントリーモデルとしても、これはかなりイイと思います！

バウハウス風のミニマルな文字盤やドーム型ヘサライト（アクリル樹脂）風防などから醸し出されるレトロ＆モダンな雰囲気も◎。文字盤カラーはホワイト、レッド、ブラックの3色展開。バンドはメタルメッシュ（写真右）に加え、スムースレザータイプ（左＆中／各2万8000円）などが用意されている。

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文／山田純貴