革ジャンの常識が覆る!? モトの“初めて”レザージャケット
ここでは選りすぐりの“服飾博士”なデザイナーに、「これぞ10年選手」たるアウター自薦を依頼。ついついこだわって、作り込みすぎてしまった!?力こぶの数々を、手紙にしたためるかのように独白してもらいました! 今回はモトのレザーアーティスト、本池秀夫さんイチオシのアウターと制作秘話をご紹介。
MOTO[モト]
ウォッシャブル ホースレザージャケット
MOTORの定番ジャケットを、新素材の洗えるホースハイドで仕立てた、MOTOとしては初となるウェア。ラフさと快適さを兼備する。12万円。(モトスタイルストア)


デザイナー直筆メッセージ
モト レザーアーティスト
本池秀夫
1951年生まれ。鳥取県出身。革から人形などを創作する革作家として、全国で初めて県無形文化財保持者に認定された。ウェアを中心とするライン“MOTOR”の監修も務める。
このジャケットにはいろんな“初めて”が詰まっています。ひとつはMOTOから初めて発表する服だということ。MOTORで展開するライダースとしてではなく、もっと日常的な一着をイメージしたからです。
だから、素材にはおそらく世界初となる「ウォッシャブルの馬革」を選びました。革の服なら長く保もつのは当たり前。でも、気軽に洗えるなら長く“着てもらえる”かなと。
世界初の洗えるホースハイドは、姫路にある、まだ若いチャレンジングなタンナーさんと共同開発しました。植物タンニンでなめした馬革は濡れると固まってしまうので、特殊なクロームなめしで。そのおかげで非常に軽く、あり得ないくらいしなやかですよ。
形は私が所有しているヴィンテージの1stジャケットをソースにしています。同じパターンで13ozデニムを使ったものよりも軽いんです。
軽量で洗える革というとラムやシープが多いのですが、えてしてペラペラになります。これは国産のホースハイドで、毛足が長く、見た目も耐久性もしっかりタフ。だから馬なんです。
いわゆる“革ジャン”に抵抗がある人へ。雰囲気に憧れて手にとったけれど、ゴワつきやケアを気にしてクロゼットの肥やしにしてしまった人へ。洗濯機で洗えて、干しておけば半日ほどで乾きます。
シワになりにくいのでクルッと丸めてカバンに詰め込んでも大丈夫。今まで革ジャンでできなかったことだらけでしょう?
※表示価格は税抜き
[ビギン2020年1月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。