ファッションとして取り入れやすい軍パンこそ、差のつく一本をゲットすべし！

ミリ服の中で最もファッションとして取り入れやすいのが軍パン。誰もが持ってるからこそ、ここで学んで差のつく一本をゲット!!

Hurry up！ かのマルジェラがホレた♡仏の絶滅“利く”種！

仕立ての素晴らしさを見せるため自身のショーでモデルに裏返しにして穿かせたほど、マルタン・マルジェラに溺愛されたパンツとして知られる仏軍のM-47。

以降すっかり軍パンの大傑作的地位を確立したわけですが、もしキミが欲しいならもはや待ったなしです。というのも最近流通量が枯渇しており、前期型に至ってはほぼ絶滅危惧種。お洒落に利くゴン太カーゴ、一刻も早く捕獲を！
 

逞しさMAXな極太シルエット

1947年誕生
M-47
’70年代まで採用。マルジェラはこれのリメイクを発表したことも。’40～’50年代までの前期型と’60年代以降の後期型では、シルエットや仕様が微妙に異なる。2万5000円。（アーチ）
 

見分けポイント！ 狙い目は前期モデル!?

米軍パンの微差にビビッときちゃう♪ good buyポイントはこれ！

一口に米軍パンつってもシルエットやディテールは年代ごとに変化。微差と思いきや、これが穿いたときの印象の大差を生むんですね。より自分好みの一本を得るためにも、しっかりお勉強しときましょう。

カーゴポケット草創期

陸軍生まれのダブルポケット

①高い位置のカーゴポケット／ヘリンボーンツイル　②ガスフラップ（M-44共通）

1943年誕生
M-43

同品番のジャケットと合わせて米陸軍が採用。じつは最初のカーゴポケット付きは’42年誕生のM-42だが、パラシュート部隊の精鋭のみに支給されたため、市場にほぼ現存せず。
 

米独立時の州を表す13スターボタン

13スターが輝く陸軍独自のメタルボタン（後に尿素ボタン）。ちなみにこのモデルは両腰のカーゴポケットのほかにポケットはない。

収納力UPでも座りづらさもUP？

①U.S.MARINE CORPSボタン　②高い位置のカーゴポケット／ヘリンボーンツイル

1944年誕生
M-44

M-43の後継モデルではなく、こちらは米海軍独自のもの。フロントはM-43に酷似するものの、後ろ姿に決定的な違いがあり、そのせいで座りにくいと兵士に不評を買った。
 

袋状のバックポケット

収納性向上のためお尻にもカーゴポケットを装備。結果重量がかさんでしまうため、菊穴をつけてサスペンダーで吊るせるようにした。

6ポケット期

軍パン界のモストヘヴィデューティ

①スナップボタン留めのフラップポケットは貫通式　②ドローコード（M-65共通）　③裾を絞る平ヒモ

1951年誕生
M-51

米陸軍の寒冷地用で、ボタンでウールパイルの別体ライナーを装着可能。ちなみに6ポケットなど米軍パンの基本デザインはここで確立されたと言われる。生地はコットンサテン。
 

パンツを支えるサスペンダーボタン

ウールパイルのライナーをつけるとかなりの重さになるため、菊穴では足りず、しっかりしたサスペンダーボタンが装着された。

ジャングル戦での救世主

①裾を絞る丸ヒモ

1963年誕生
ジャングルファティーグ

ベトナムなど熱帯地方に展開する全米軍のために開発されたモデル。比較的軽量で薄手の生地を採用し、カーゴポケットの上のポケットはシンプルなスラッシュ型とされた。
 

耐久性に優れたリップストップ

当初コットンポプリンだったが、後に、軽量ながら補強糸を格子状に織り込んで引き裂き強度を高めたリップストップコットンに変更。

ナイロン採用の叡智パンツ

①マチ入り（M-51共通）　②サスペンダーループ（M-51共通）　③裾を絞る丸ヒモ

1965年誕生
M-65

あの有名なM-65フィールドジャケットと対になるパンツ。M-51の後継だが、コットン50％×ナイロン50％生地で軽量性と速乾性、強度が大幅に向上。米陸軍と米空軍が採用した。
 

サスペンダーボタンの廃止

生地はもちろん、装着するキルトライナーも軽量なためにサスペンダーボタンは廃止されたが、サスペンダーループだけは残された。

miniタリーコラム
白黒つけたいベイカーパンツの秘密って!?

量産型のシンプルデザイン

最もシンプルな軍パンとして知られるベイカーパンツ。その素朴な見た目から作業用と認識されているが、実はこちら、ジャングルファティーグの前身的モデルで、入隊後の訓練から熱帯戦まで幅広く使われていた。
 

知っておくと効く！ “ベイカー”の秘密

ベイカーはパン職人が穿いていたパンツとデザインが酷似していることからきたとか。正式名称はOG107ユーティリティパンツやファティーグパンツと呼ばれる。
 
※表示価格は税抜き

［ビギン2019年10月号の記事を再構成］スタッフクレジットは本誌をご覧ください。