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サイドにシームがない!

ANATOMICA アナトミカ:岡山

「究極シルエットは日本じゃなきゃ作れない」―アナトミカディレクター ピエール・フルニエ

伝説的バイヤー、ピエール・フルニエ氏が1994年にパリでオープンした「アナトミカ」。独自の審美眼によるセレクト良品もさることながら、その哲学を反映したディレクションアイテムも世界の服好きを虜にしている。

その象徴こそ、ヴィンテージにも精通した日本のデザイナー寺本欣児氏とタッグを組み、2008年に完成させたデニム“618”だ。

「求めたのは人体構造を基にした究極のシルエット。ダ・ヴィンチが『円の中の人体図』で採用した1:1・618の“黄金比”のように、どの角度から見ても美しいデニムを作りたい。そんな思いから618と名付けたのです」

本作を手掛けるのは、世界最高峰の技術を持つ岡山のファクトリー。じつに7回ものサンプル修正を繰り返して完成に至ったという。

「最もこだわったのが、サイドのシームを省いた筒型設計。USネイビーの作業用パンツに見られる仕様で、美しいシルエットを出すとなると、当然パターンワークは困難を極めます。デザイナーにワガママを聞いてもらい、岡山の職人にミリ単位まで修正を繰り返してもらって、ようやく理想のシルエットが完成したのです。

生地も岡山製。滑らかな質感でエイジングも期待できる左綾デニムを特別な“硬仕上げ”にし、長く穿き込んでもシルエットが崩れにくいよう工夫しています。618は、日本の技術がなければ作れなかった、究極の一本なのです」

ANATOMICA アナトミカ:岡山

ANATOMICA[アナトミカ:岡山]
618オリジナル

ピエール・フルニエ氏がディレクションを行い、デザイナー寺本欣児氏や岡山の職人とともに1年以上の歳月をかけて何度も試作を重ね、完成した渾身作。岡山で製織した広幅の左綾織デニムは、縮みが出にくく、シルエットが崩れにくいという利点が。2万6000円。(アナトミカ 東京)

Pierre Fournier ピエール・フルニエさん

Pierre Fournier
ピエール・フルニエ

1970年代から数多くのブランドを発掘し、ファッション界に新潮流を生み出してきたフランスの伝説的バイヤー。’94年には世界中から信者が詣でる「アナトミカ」をパリにオープン。

 
※表示価格は税抜き


[ビギン2019年10月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。

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