特集・連載
オールデンのベストセラー、東と西でどう違うの?
令和な今、改めて知りたい「関東 VS 関西」 もはや情報の差がなくなったインターネット社会。にも、かかわらず根強く残っているのが東西でのカルチャーの違いです。そこにはマジメな話や爆笑もんの理由だったりが隠されており……そこでオールジャンルをピックアップ! 令和の今、改めて知っておきましょう。 この記事は特集・連載「令和な今、改めて知りたい「関東 VS 関西」」#01です。
スタイルのValueを担う足元の価値観、シューズに注目。そこで服好きから断然の支持を誇る、オールデンのベストセラーを関東と関西で調査してみると……。東西で“オンオフ”の考え方が、カギとなっているようです。
スマートに見せるか、アメリカ顔を貫くか!?
東西南北問わず、熱烈な支持をもつオールデン。やはり関東、関西ともにコードバンモデルは入荷→即完売の人気ぶりです。
ただコードバンの希少化が進み、在庫の枯渇が常態化。つまりベストセラーはともにカーフモデルになります。ただ、おかげで東西の違いがくっきりと見えてくるのです!
結果は、関東は昨年本格上陸したグラントラストのプレーントウ。関西はミリタリーラストのプレーントウ。こりゃおもしろい!
というのも、ともに外羽根のプレーントウでいてキャラがだいぶ違うから。東のグラントラストはオールデンのなかでもっとも中庸で、一番ドレッシーでもある木型。対して西のミリタリーラストは、大戦中に開発された軍靴用。
シンプルながら愛嬌のある丸顔でお馴染みです。さらにスタッフに聞けば、丸の内店は「スラックスで試着して購入を考える」。対して大阪店は「デニムとの相性を気にするお客さんが多い」、のだそう。
つまり東西ともオンオフの履き回しを意識しつつ、関東はドレッシーな合わせ、関西はカジュアルの足元を念頭にした結果が、人気のラストに表れてるのかも。
カジュアルなイメージがあるオールデンをドレッシーに履きこなそうとする関東。高級靴といえストレートにカジュアル優先の関西。
同じ粋でも、“いき”と“すい”の違いみたいなものかもしれませんね!
関東はドレスラストの「グランド派」
ALDEN
オールデンのM8405
グラントラストはオールデンではレアな内羽根に続き、プレーントウやウイングチップ、ブーツなどもデリバリーされている。なかでもトップセラーは、汎用性の高い黒のダービーだとか。9万6000円。(ラコタハウス丸の内店)
米国ではメジャー。かの重鎮デザイナーも重用
オールデンの数あるラストのなかでも、幅、ボリューム感ともに真ん中に位置する。クセがないフォルムで、ドレスに合わせやすい。
ダンディなシボ革モデルも人気!
ラコタハウス丸の内店 店長 福島智己さん
“丸の内オールデン”でブレイクしたグラントラストがトップセールスとなっています。スマートなラストでスーツにも合わせやすく、外羽根はオフにも使いやすいと好評です!
関西はカジュアルラストの「ミリタリー派」
ALDEN
オールデンの53711
米軍将校らにドレスユニフォーム用として支給された、サービスシューズをもとに誕生。それゆえさまざまな足に対応するコンフォート感、カジュアルながら正装にも対応する品格が特徴だ。9万4000円。(ラコタハウス大阪店)
軍靴用として開発された379Xラスト
適度に余裕をもたせたトウが特徴だが、程よいアーチシェイプに低めの甲まわり、小さめのヒールカップにで、上品な印象もある。
カジュアルかつ品よく履けます!
ラコタハウス大阪店 店長 高橋 渉さん
関東との一番の違いは、デニムやチノとの相性をみるお客様が多いこと。ただミリタリーラストのプレーントウは品のよさもあり、ビジネスでも履けるのが人気のようです。
※表示価格は税抜き
[ビギン2019年7月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。