特集・連載
Gショックにカナダグース、まだまだ記憶に新しい平成22年~31年のヒット作は?
平成を大総括~HEY! SAY! CHAMP! 「平成」直前の1988年に創刊したビギンの歴史=「平成」のオトコのブツ欲史そのもの!と言っても過言じゃありません。間もなく「令和」スタートで、気分も新たに……のその前に、平成が生んだあんなヒットやこんなヒットを大総括。アラウンド40世代のサブカルレジェンド、漫画家の渋谷直角さんにも参戦してもらい、思わず“懐っ”な各時代のチャンプを勝手に決定(笑)いたします! この記事は特集・連載「平成を大総括~HEY! SAY! CHAMP!」#06です。
元号が変わってもブツ欲は永遠に不滅です
リアルであること。こうして眺めてみると、楽チンだったりオンオフ兼用だったりと、実用性というものがファッションの重要なキーワードになっていたことが2010年代の傾向かと。
しかも趣味嗜好はライフスタイル全般のリラックスや快適にまで広がって、アウトドアアイテムをキャンプだけでなく普段も兼用するのも市民権を得てるしね。この10年で定番モノがますますその座を固めているのも、安定というリアル志向の表れなのでは、な~んて思ったり。
と同時に、片や若者や女子の間ではインスタ映えなる見た目偏重の流れも加速。でもその流れ、どちらかというとビギン読者の皆様にはあまり馴染みがない?
時代の気分は大事にしつつも、モノの背景や価値を第一に紹介する姿勢は変えずにいたいもの。平成は終わってもビギンがお届けするオトコのブツ欲は永遠に不滅です!
ビギンが選ぶ平成チャンプ!
腕時計界の勝手にCHAMP!
黒スン(平成22年)
オール黒のスントを例のごとく勝手に命名(笑
機能由来のゴツさが北欧デザインに落とし込まれたスントのフィールドウォッチがセレクトショップ界隈を通じてブレイク。思えばセカンドウォッチが1軍級の人気になってきたこと、それからアウトドア気分の高まりはこの頃からか。
ワーク靴界の勝手にCHAMP!
レッド・ウィング ワーク オックスフォード(平成22年)
伊・ピッティでも空前のレッド・ウィングブームに
本誌掲載後、オーダー殺到につき購入まで数か月待ちを記録! 短丈で当時のパンツトレンドに合わせやすかった。同じモカシンでもブーツとは違い、一枚革にアドラーミシンでステッチを入れる製法でスッキリ見えした点も人気に。
ブリ一点投入界の勝手にCHAMP!
バブアー(平成23年)
スリムフィット化した「ビデイルSL」
モダナイズ化の流れは底堅く、かのバブアーまでもが垢抜けた! オッサン世代には懐かしく、若者世代には新鮮とあって、紳士のブリティッシュとは一味違う粗野な魅力が服好きのワードローブにラブ注入ならぬブリ注入!
ポストデカ厚時計界の勝手にCHAMP!
チビミリ(平成23年)
シップス別注のオールブルーが即完売
トレンドセッターだったJ.クルーにより再評価の進んだタイメックスはチビミリ人気の象徴。こちらの「キャンパー」はルックもプライスもスマートで、腕時計も草食系男子的な流行へと移り変わったことを強く実感させられたワケで。
アクセ界の勝手にCHAMP!
WHC メッシュ編みブレス(平成24年)
定番メッシュベルトと同じカウハイドレザー
隠れ定番として知る人ぞ知る存在だったWHCのメッシュブレスを掲載したところ、店頭から瞬殺で消えちゃったっけ。アクセサリーもワイルドだろぉ?なゴテゴテ系でなく、シンプルながらピリリと効く脱チャラ系が気分の時代に。
デニム界の勝手にCHAMP!
股ゆる先細(平成24年)
股ゆる先細の代表格リーバイス508
腰回り&ワタリには余裕がありつつ、裾に向かって一気に絞り込まれたスリムテーパード。脚長効果と洒脱感を兼ね備えたこのシルエットは、この年以降つい最近まで
下半身の黄金バランスとして長らく君臨することに!
ダウン界の勝手にCHAMP!
カナダグース ジャスパー(平成25年)
一番人気だったのはこちらの「ジャスパー」
バブルも遠い昔となり、確かな価値のある服が大ヒットとなりやすい時代に。アラスカのワーカーがリアルに着ている“極専ダウン”カナダグースは、モダナイズ化も相まって予約完売が続出。ビギンも毎年の特集で貢献した!?
スウェット界の勝手にCHAMP!
首ゆるアメちゃん(平成25年)
ダンケルドが肩と身幅を絞ってシャープに
アメリカ的プリントが施された、チャンピオンのルーズネックが大ヒット。アメトラトレンドが続くなか、シャツ×ニットという着こなしにゃさすがに食傷したプレッピーくんが殺到。アベノミクスならぬアメトラのミックス化!?
オンオフ界の勝手にCHAMP!
パラブーツ シャンボード(平成26年)
登山靴を基にしたタウンシューズ
男臭いコクや艶っぽさではなく、シンプルかつクリーンがいい。このトレンドにハマったのが上品ベーシックなフレンチで、パラブーツはその筆頭。程よいボリューム
と品はオフの日に加えオンの日の足元も洒脱にした万能靴だった!
パンツ界の勝手にCHAMP!
イージーパンツ(平成26年)
ベルト不要で穿けるゴムウエストが絶対
今ではすっかり定番のイージーパンツも、当時はこれがお洒落のクリーンアップを占めるとは隔世の感を覚えたもの。でも穿けば誰もが虜に。だって股ゆる先細シルエットかる、楽チンだったから。快適さは平成終盤の大キーワードに。
ローテクスニーカー界の勝手にCHAMP!
アディダス オリジナルス スタンスミス(平成27年)
スタン・スミス氏もビックリ!?
数年間お休みしていたスタンスミスの復活は、クリーン&上品というファッション潮流の先発一番手に返り咲き。これってある意味アディダスの作戦勝ち!? ノームコアなんて言葉も話題になったけど、そのど真ん中でもあったよね。
クライミングパンツ界の勝手にCHAMP!
グラミチ NNパンツ(平成27年)
“垂れベルト”の人気はここから
楽チンかつ美脚、つまりイージーパンツと股ゆる先細の両方を極めたひとつの頂点がここ。なんせ発売後3か月で2万本も売れたので。グラミチは平成後期を代表しつつ、平成をジャンプして令和でも人気は継続すると見た!
オンオフ服界の勝手にCHAMP!
イージー セットアップ(平成28年)
オンでもオフでも頭使わず即お洒落に見えた
楽チンな服はスーツスタイルにも徐々に浸透。クールビズなどの後押しもあり、化繊で伸縮するジャケットや、イージー仕様の組下パンツがファッションの中心に。人間一度楽を知ると戻れないと言うけど、さあ今後やいかに。
2wayバッグ界の勝手にCHAMP!
ショエルトート(平成28年)
バッグ界の「重宝」系でした
ビススタイルにおけるカジュアル化が進み、縦長のトートは完全にOKラインに。そこで一大勢力となったのが、アウトドアブランドに端を発するショルダーハーネス付きトート。ビギンではその持ち方からショエルトートと命名!
デニム界の勝手にCHAMP!
ウエアハウス ジャストレングス(平成29年)
定番より17cmも短い丈でした
背伸びしない=無理のないファッションという発想はこんなところにも。本気ヴィンテージ加工のウエアハウスが平均的体型日本男子のことを忖度した、裾上げ不要のジャスト丈が圧倒的支持を獲得。実体型ファーストが一番っしょ。
スニーカー界の勝手にCHAMP!
コンバース オールスター100(平成29年)
100年目のゴアテックス内蔵!
100歳ってことはアレだ、平成いやいや昭和も飛び越え、明治時代からその姿をほとんど変えてないってこと。オールスターほど完成度が高ければ、不変かつ不偏の存在として令和どころかその先の元号でもその座は安泰かもね。
ドレス靴界の勝手にCHAMP!
丸の内オールデン(平成30年)
英国靴的な端正さに靴好きがノックアウト
こんなのあったの~?な幻の「グラント」ラストを採用したオールデンが、輸入代理店ラコタハウスの丸の内店オープン記念で行列を作った! オールデンとビギンは切っても切れない縁がある(ハズ)。今後も紹介し続ける所存!
腕時計界の勝手にCHAMP!
Gショック メタルG(平成30年)
金銀メタルラッシュに国民が沸いた!?
角形フェイスのDW5000をベースにしながら、樹脂ではなくメタルをまとったGショックが即完売を記録。耐衝撃構造を一新し、この素材でもタフさは変わらず。斬新さに加え、本分やストロングポイントを見失わないことは大事だよね。
世の中の出来事
2010 平成22年
- 小惑星探査機はやぶさが地球に帰還
- 食べるラー油が品切れ続出
2011 平成23年
- サッカー女子W杯でなでしこジャパン優勝
- 地上波デジタル放送へと完全移行
- AKB48がシングルチャートを独占
2022 平成24年
- スマートフォンが広く一般に浸透
- 世界一の電波塔東京スカイツリー開業
- ウィンドウズ8発売開始
2013 平成25年
- NHKの朝ドラ『あまちゃん』にじぇじぇ
- 2020年夏季五輪が東京開催に決定
- 『半沢直樹』が視聴率42%を記録
2014 平成26年
- ATAP細胞で日本中が騒然
- 消費税が8%に増税
- 『笑っていいとも!』31年半の歴史に幕
2015 平成27年
- ラグビーW杯で日本が大躍進!
- 五輪エンブレムと新国立競技場が再検討
- 爆買い現象が顕著に
2016 平成28年
- ドナルド・トランプ氏が米国大統領に
- 英国が国民投票でEU離脱を決定
- PPAPが神ってる再生回数に
2017 平成29年
- 中3の棋士藤井四段が29連勝
- 「インスタ映え」が流行語に
- ジャイアントパンダの香香(シャンシャン)誕生
2018 平成30年
- 大谷翔平選手がメジャーで新人王獲得
- 築地市場から豊洲市場に移転
- 安室奈美恵引退でアムロス現象
2019 平成31から令和へ
……というわけで、平成から令和になってもビギンにご期待ください!
※このページに掲載されているアイテムは、過去のビギン掲載商品やスタッフ私物です。ほとんど現在購入できませんのでご了承ください。
[ビギン2019年6月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。