特集・連載
デニム達人インタビュー(1)
「誰が穿いても“カッコイイ”ジーンズだけを考えてきました」リゾルト 林 芳亨さんが語る日本デニムの今
デニムマスターポケットガイド 「セルビッジ」「66シルエット」「XX」……ときどき目にするジーンズ用語。「なんとなく」でしか知らない方も多いでしょう。じつは何気ないディテールワードだって大事な意味が隠されているんです。そこでジーンズの歴史と用語を簡単に解説&おさらい! 平成最後に胸にジーンと響く♪デニム特集です。 この記事は特集・連載「デニムマスターポケットガイド」#05です。
今や日本は世界屈指のジーンズ産地。でも、その中身ってどういうことなんでしょ? そこで日本のデニム達人、リゾルト デザイナーの林 芳亨さんにインタビュー。きっとメイドインジャパンのジーンズが欲しくなるはずです。
誰が穿いても“カッコイイ”ジーンズだけを考えてきました
リゾルト デザイナー
林 芳亨さん
’90年代から日本のデニムシーンを牽引。取扱い店にて、林さん自らサイズ選びをアドバイスしてくれる、フィッティングデーも大好評。
老若男女問わず最良のシルエットで穿ける
’70年代の学生時代、憧れの501に初めて脚を通した林さん。「当時は日本のジーンズショップに、新品の501ビッグEや66モデルが普通に置いてあった。僕はリアルタイムで66で育ったので、やっぱり66が好きなんです」。
かつて伝説のジャパンデニムブランドを率いた林さんは66にこだわる理由をこう話します。「僕はアイビーやフレンチにも傾倒してテーパードが利いたシルエット、キレイなサックスブルーの色落ちが好き。66を追求した理由ですね」。
1973~’80年頃に生産された501を指す66。ワークウェアからファッションとなるなか、ヴィンテージの501で一番スマートといわれています。「現代のジーンズはやはり見た目がいい、着こなしやすい方がいいでしょ? ヴィンテージを解体して糸の染めから縫製も研究していますが、リゾルトのジーンズとは、シルエットなんです」。
欧米人ほどヒップアップしていない日本人体型に合わせ、腰回りをすっきりさせてスマートな印象に。
米国のお店には、ジーンズはウエストとレングスのサイズが豊富にあり、裾上げせず穿いていた。またお尻が平たい日本人が、そのまま501を穿いても米国人みたいにカッコよくならない。これに着目していた林さんは、何度もパターンを修正し、日本人に合うシルエットを完成。
脚を長くキレイに見せる効果も
そしてどんな体型でもキレイに穿けるよう、各ウエストに最大8種のレングスを用意!「テーパードしてるから、裾上げすると本来のシルエットが楽しめなくなるからね。リゾルト定番の710はウエスト26~40、レングスは28~36インチまであり、87種のサイズを用意しています」。
つまり710品番だけで、87ものパターンがあるってこと! こんなジーンズ、おそらく世界に2つとありません。「今ジーンズは老若男女関係なく穿くもの。リゾルトはデニムブランドだし、これくらいやらんとね!」。
RESOLUTE
リゾルト「710」
2本ともウエスト32インチだが、異なるレングスを用意。ただ裾幅は同じで、各サイズのパターンが異なる徹底ぶり。体型ごとに本来のキレイなシルエットで穿ける。ウエスト26~34インチ2万2000円、36、38、40インチ2万3000円(エスビープラニング)
3年ほど穿くとこんな色落ち
※表示価格は税抜き
[ビギン2019年4月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。