第5回“あのコとしっぽり飲みたい♡”ときに
オトナの珍味コレクション ベスト3

しみじみ飲んで、じっくり話す。オトナのしっぽり飲みには、ネットリしたつまみが必須。そうです、話題の発酵&熟成モノで、二人の関係も発酵させちゃってください。シメは納豆ラーメンの納豆キナーゼでフィニッシュ♡

 

第1位三奥屋のたくあんチョコレート 夢

 

三奥屋のたくあんチョコレート 夢

もはやシュルレアリスム?
ドリーミーなマリアージュ!

最近よく聞く“いぶりがっこ&チーズ”を鼻で笑う、破壊力のあるマリアージュ。口中に広がるのは、発酵の旨みと香りが広がる夢の世界。沢庵和尚が「たくあん漬け」を生み出した発祥の地、山形ならではのフレッシュなたくあんを輪切りにして砂糖やレモン果汁に漬け込んで乾燥させているので、チョコレートとの味の相性もバッチリです。パリパリした食感はショコラオランジュを凌駕し、その先には旨みが待っています。マジでお酒に合いますよ。

三奥屋のたくあんチョコレート 夢

三奥屋 たくあんチョコレート 夢
(9枚入り)
1188円(税込)
(問)山形県観光物産会館 TEL.023-688-5500
https://www.yamagata-bussan.co.jp

評論家のコメント
出会いは、月山での山登り。お弁当と一緒に1枚配布され、最初は冗談だと思いましたが、絶景を前に食べてみてビックリ! 禅宗のお坊さんであった沢庵和尚が開発したお漬け物ということで、たくあんはZENには欠かせない大切な食べ物。それと王侯貴族が愛したショコラが実によく合います。一緒に飲みたいお酒は、これまた王侯貴族の飲み物、シャンパーニュ。私のいちばんのお気に入り、きめ細かい泡の「アンリ・ジロー」を合わせたいですね。

 

第2位油与商店の糠ふぐの子

 

油与商店の糠ふぐの子

猛毒・ふぐの卵巣を、敢えて食べる!
なぜならおいしいから

ふぐの卵巣を塩漬け&糠漬けにして、2年以上発酵させた“奇跡の珍味”。塩と糠の作用で猛毒が含まれる卵巣が無毒化されるのですが、その化学的な理由は未だ解明されておらず、現在も謎のまま。昔から伝わる方法を守れば毒が抜けるという、マジカルな珍味です。確かに、卵の粒が口の中で弾ける食感とチーズのような濃厚な香りと風味は、先人が「どうしても食べたい!」と無毒化の方法を編み出したのもうなずけるウマさ。気になるあのコと一緒にトライすれば、二人で新しい味覚のトビラを開けたという仲間意識が生まれ、より親密になれるかも!? 

油与商店 糠ふぐの子(120g)
907円(税込)
(問)油与商店 TEL.076‐267‐0031
https://www.aburayo.jp/

評論家のコメント
これは私の地元、金沢の金石が誇る郷土料理。金沢というとしっとりした印象をお持ちかもしれませんが、金石は漁師の町。だから少々荒っぽいのですが、とにかく新鮮な魚を毎日食べるのが当たり前。刺身はもちろん、塩蔵も食べるし、いろんな食べ方をする土地柄です。そこで生まれたのがこの珍味。ちょっとだけあぶって香ばしくすると、日本酒にぴったり。レモンをかけたり大根おろしと合わせたりする人もいます。まわりに付いている糠を鷹の爪と一緒に炒って食べてもまたおいしい。ごはんにまぶしても、からすみのようにパスタにからめてもいけます。地元の人にはそれぞれの楽しみ方があり、各家の冷蔵庫の必需品です。

 

第3位二代目 福治郎の納豆ラーメン

すりつぶした納豆入りで
味噌ラーメンのコクが激アップ

納豆発祥の地・秋田で、国産の大豆を通常の約3倍の時間をかけて熟成させて作る、二代目 福治郎の“日本イチ”の高級納豆。その納豆を味噌ラーメンにただ加えるのではなく、すりつぶしてスープに浮かせ、麺にからめて食べる二代目 福治郎の「納豆ラーメン」。味噌と納豆の発酵ブラザーズの相性が悪いわけはなく、コクが増して奥深〜い味わいに。珍味をアテにしっぽりお酒を飲んだ後のシメにピッタリです。朝の某ワイドショーで取り上げられた影響から人気が激増し、注文できないこともあるので要注意。

二代目福治郎 納豆ラーメン(2食入り)
864円(税込)
(問)納豆専門店 二代目福治郎 TEL.018-863-2926

評論家のコメント
納豆専門店が作るだけあって、納豆そのものがおいしい。この納豆が、味噌ラーメンの味わいを、なんでこんなに深い味が?というほど深めています。ウイスキーでたとえると、響30年。日本ではなかなか出会えません。そのくらい、渋く、深い。納豆の熟成の味の奥が深いんですよね。ミートソースみたいに麺に納豆をからめながら食べて、最後は残った納豆をスープに溶いて飲み干したいところ。それをご飯にかけて納豆ラーメンご飯にしても絶対おいしいと思います。

時計Begin[ビギン]2019年冬号 WINTER

寺尾妙子

料理ライター。石川県金沢市出身。名物企画BRUTUS「お取り寄せ」特集の初期メンバーとして、お取り寄せブームを牽引したひとり。独自の今っぽい&艶っぽい目線でレストランを紹介し、男性誌・女性誌ともに活躍中。現在、Casa BRUTUSのウェブサイトにて「寺尾妙子のNewsなレストラン」を連載中。

※表示のない価格は税抜きです


写真/植野 淳 構成・文/安藤菜穂子 スタイリング/佐々木 誠

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