特集・連載
デビュー20年! ブリーフィングはユナイテッドアローズから始まった
ボクらがBRIEFINGを好きな理由(ワケ) その硬派な佇まいを服飾業界のプロたちが絶賛してると思ったら、あれよあれよという間に人気が一般に浸透。誕生20年の今日では、すっかりビギン世代のライフスタイルになくてはならない存在となっているブリーフィング。でも一体なぜ無名(当時ね)ブランドの鞄が、こんなにも多くの人の心に響いたのか? ブリーフィングをずっと間近で見続けてきたビギンが、20年目のエールを込めて、多彩な角度から改めて検証してみようと思います! この記事は特集・連載「ボクらがBRIEFINGを好きな理由(ワケ)」#01です。
改めて考えてみた。ボクらがBRIEFINGを好きな
その硬派な佇まいを服飾業界のプロたちが絶賛してると思ったら、あれよあれよという間に人気が一般に浸透。誕生20年の今日では、すっかりビギン世代のライフスタイルになくてはならない存在となっているブリーフィング。
でも一体なぜ無名(当時ね)ブランドの鞄が、こんなにも多くの人の心に響いたのか? ブリーフィングをずっと間近で見続けてきたビギンからの20年目のエールを込めて、多彩な角度から改めて検証してみようと思います!
目撃者に聞いた!
ブリーフィングデビュー秘話
ブリーフィングがそもそもUAでのみスタートしていたことって、皆さん知ってました? 当時の経緯を知る数少ない人物で、以後もバイヤーとして数々の別注モデルを手掛けた松井弘之さんに、ブリーフィングが当時のユーザーを如何に魅了していったかを訊きました。
ユナイテッドアローズ
第一事業本部事業戦略部副部長
松井弘之さん
当時の肩書は、ユナイテッドアローズ ブルーレーベル アシスタントバイヤー。ブルーレーベルおよびビューティ&ユースの名物バイヤーとして長年活躍。現在はモンキータイムやロク、スティーブンアランなどのスモールビジネスユニットを統括する立場に。
本格的に展開する以前、UAで試験的に発売!?
ブリーフィングのデビューは1998年秋冬。ですが、じつは最初の1年間、ブリーフィングは当時UAのカジュアルレーベルだったブルーレーベルでのみ展開されていたんです。
アシスタントとしてバイイングに携わり、その経緯を知る松井弘之さんは次のように語ります。
「なにしろ特殊な商品でしたから、試験的な意味合いも含めてまずはウチだけでやってみよう、と始めたんですね。当時ミリタリー風の鞄はあれど、本物のミリタリー製品を手掛ける米国工場で縫製した鞄なんて例がありませんでした。
しかも素材からパーツまでとことんミルスペックに準拠。こんなマニアックなものが果たして市場に受け入れられるのか? ブリーフィングさんとしてはそれを見極めたかったんでしょう。
結果ですか? 正直いきなり大反響というわけではありませんでしたが、スタッフ受けが非常によく、本物志向の方やアメリカモノを好むお客さまに好評だったのを覚えています」
その頃のアイテムはトート、ウエストバッグ、ポシェット、ブリーフの4型。翌年の正式デビューでブリーフィングはそれらのデザインを大きく見直し、型数もぐっと増やしたそうです。
「最初からウチだけで発売する期間は1年間と決まっていて、その間に相当デザインをブラッシュアップされたようですね(笑)。先行販売の頃とはお客さまの反応がまるで違い、ここから本格的な快進撃が始まった感じです」
ブレイクの理由については、やはり素材のバリスティックナイロンをはじめ、ミリタリー由来のヘビーデューティな作りにあると松井さん。
この顔でタウンユースというのが、ズルいなぁと思いました(笑)
男のファッション要素に、アウトドアとミリタリーは常に欠かせないものであり、いかにもギア然としたブリーフィングはそこにぴったりハマったと分析します。
「とはいえオタク向けのガチなミリタリー鞄ではないんですよね。じつはどのモデルもミリタリーから着想しておらず、あくまでタウンユースを意識したオリジナルデザイン。
デザイナーの小雀新秀さんは意図的にそうしたんでしょうが、これがよかったんですね。無骨なのにどこか洗練されているため、やがてここのトートやブリーフをスーツに合わせる人が出てきたんです」
ちなみに最初にブリーフィングを扱ったアドバンテージもあり、UAは毎シーズン別注モデルを展開。松井さんはブルーレーベルやビューティ&ユースのバイヤーとしてそこに関わり、数多くのヒット別注をモノにしています。
「ほかにも立ち上げからよく知るブランドはありますが、小雀さんとしょっちゅう膝を突き合わせて打ち合わせしてきただけに、ブリーフィングに対する思い入れはひとしおですね。
最近は私の立場も変わり、小雀さんとお会いする機会は減りましたが、インスタを見て、いいね!を押してます(笑)」
ビギンでキチンと紹介した最初の記事!
2000年4月号
1/2ページ大での詳しい紹介も、最初はUA別注だった。この頃すでにブリーフィングはブランドとして本格展開を開始しており、記事中のトートはインラインとはかなり異なる。
Brand History
ブリーフィング20年の歴史
1998
秋冬シーズン、デビュー。当初はブラック1色の展開
2001
アメリカ同時多発テロが発生。米ファクトリーでの生産が困難に
2003
およそ2年の実質休止を経て通常生産ラインが回復
2004
ブラック以外で初のカラー「カーキ」が発売
2007
初のカモ柄「MULTICAM」が登場
2007
初のトロリー「T-1」が発売。ビギン連載BB10で第1位に
2008
レッドラインを取り除いた「ブラックライン」が登場
2011
ループウィラー、ビギンとの伝説の三者誌上コラボが実現
2013
デビュー15周年。ネイビーデジタルカモを限定販売
2018
ブランド設立20周年。記念アイテムも続々登場
[ビギン2018年11月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。