制限時間は10秒。さて、どっちが本物でしょう?
トルクのモールスキンプリンテッド ジャケット
かたや’50年代に作られたGジャンで、かたやそのディテールを最新のインクジェットプリントで表現したGジャン。
さ〜て問題、どっちがどっち? 制限時間10秒です!って言われて、自信を持って答えられますか?って話ですよ。
答えはずばり、右がオリジナルで左がプリント! いやはやここまでリアルだと、ほとんどだまし絵レベル。ポケットや尾錠もプリントで表現しているというから、目ん玉飛び出るでしょ?
こちらがプリント!
’50年代のディテールを超絶リアルに表現
こちらは得意のグラフィックワーク&最新鋭の技術を活かしたモノ作りを展開する新鋭ブランドの「トルク」と、かの「ベルベルジン」のディレクターを務める藤原 裕氏のコラボ作。
藤原氏が愛蔵している数多のヴィンテージの中から、特に後世に残したいGジャンをチョイス。それを基にグラフィックを起こし、世界でもまだ導入例の少ない最新のインクジェットプリンターを用いて、コットンモールスキンの表地へ印刷したのが本作なのです。
で、基になったヴィンテージGジャンの素性がまた、服好きのハートをくすぐりまくるのなんの♡ そのGジャンは、ポケットが1つだけ付いたいわゆる1stタイプの中でも、’50年〜’52年に製造されていたブランケット裏地のレア仕様。
背中の生地がT字につなぎ合わされた通称“Tバック”の作りも珍しく、ヴィンテージ愛好家の間ではまさに垂涎のモデルなのです。
そして何より、実際にワーカーが着用していたとあって、そのGジャンには、ペンキ汚れがそこかしこに。そんな、ワークウェアとしての“魂”までをも、本作は最新のプリント技術で表現しているってわけです。
でいて、着心地も軽いわ&シルエットもすっきり♪てのが本作の真骨頂。プリントも超絶リアルなら、街着としてのリアリティも抜かりないのねん♡
激レアの裏地
右:オリジナル 左:プリント
ベースモデルの激レアな仕様であるブランケットの色柄は、ポリエステルフリース×転写プリントで表現。タグの跡までめちゃリアル。
ポケットやペンキ
右:オリジナル 左:プリント
ポケットや尾錠もプリントで表現。リアルな見え方を追求すべく、陰影を何度も調整したのだとか。ペンキの表情も、じつに自然だ。
希少な“Tバック”
右:オリジナル 左:プリント
サイズが大きいため一枚生地では足りず、背をT字に切り替えたレアな仕様もプリントで表現。コアな服好きが振り返ることウケアイの意匠だ。
ベースのGジャンは「ベルベルジン」のディレクターでありヴィンテージデニムアドバイザーとして活躍している藤原 裕氏が愛蔵する“後世に残したい”ヴィンテージ。その意匠や表情が持つ魅力を、滑らか&軽い着心地を実現するギザコットン製の超高密度モールスキンに“プリント”して表現したスペシャルなGジャンだ。6万9000円。写真右、オリジナルは藤原氏私物(非売品)。
(問)TOLQ(トルク)
☎ 06-6125-5260
http://tolq.jp/
※表示価格は税抜き
[ビギン2018年10月号の記事を再構成]
写真/工藤 恒(アルフォース) 文/秦 大輔