【キング・オブ・Uチップ】なぜ靴好きは「ジェイエムウエストン」のUチップを選ぶのか?
今こそ改めて学ぼう! 履こう! 「本格靴」
本格靴の博識ちゃん
スニーカー人気の増大とともに、つい縁遠くなりがちだった“本格靴”に歩み寄ります。なんだか見たことがあるようなないようなお3方が徹底買い説してくれますヨ〜。
左・アシ田マナビちゃん/中・伊達男さん/右・ドレ澤さん
【博識ちゃん】アシ田マナビちゃん
持ち前の学びの精神を発揮し、うる若き乙女ながら本格靴に関しても博士ばりの知識を保有。未知の物事に対して大感動する「カンドウィッチマン」たちへのレクチャーが生きがい。苗字のアシは、もちろん足の意。
【カンドウィッチマン】伊達男さん
名前(読みは“だてお”)の通り、ファッションに人一倍興味はあるものの、本格靴には疎い。お洒落なモノを見つけるとコーフン気味に盟友ドレ澤に伝達する。ポインテッドトウばりの鋭いツッコミが持ち味。
【カンドウィッチマン】ドレ澤さん
キレイめなドレスファッションを愛すが、肝心の靴はおざなりがち。伊達男からどんなに切れ味するどくツッコまれても、5Eウィズさながらの幅広い包容力で歩調を合わせる。
フランスが生んだキング・オブ・Uチップ
厳選された素材使いと熟練職人の技術の掛け合わせ。ジェイエムウエストンはもはや総合芸術!!
マナビ: お次も服好きが溺愛する、フランスのジェイエムウエストンです。
伊達男: なんかフランスのブランドって聞くだけでお洒落に見えちゃうなぁ。
ドレ澤: 間違いないね。
マナビ: 鋭い! 実はこの洒脱なオーラは、最高品質の素材使いと職人技の賜物。これってどのブランドでも自慢する要素なんですが、ここはその極み。なんとソール用レザーを専門に鞣すタンナーを自社所有しているんです! これは世界でもかなりの激レアさん!
伊達男: 番組が違うでしょ!
マナビ: アッパーにも極上の革だけを厳選しているし、フランス中部リモージュの自社工場で、熟練職人が手作業で仕立てているからこそ、ベーシックなのに垢抜けて見える、芸術的な完成度を誇ってるってわけ。この「ゴルフ #641」なんて、まさにその好例。
ドレ澤: ファー!
伊達男: OBなんかじゃねーよ。フェアウェイど真ん中の靴だろ!
マナビ: はい、これはゴルフ用の靴をイメージして開発された超名作。クセのないUチップに、外羽根&ラバーソールという意匠を備えていたことから、通たちは街中でも愛用。とくにあちこち歩き回る記者たちから溺愛されたことで、“ジャーナリストシューズ”という異名も持っています。
ドレ澤: 通好みなんて俺と同じだね。
伊達男: 調子にのんなコラ!
圧倒的完成度の“ジャーナリストシューズ”。通ウケがいいってとこも共感!
代表作
J.M.WESTON[ジェイエムウエストン]
ゴルフ #641
1955年に誕生。“Uチップの傑作と言えば?”と靴好きに聞くと、十中八九名前が挙がる名品中の名品だ。品がいいのにラフな服装にもハマり、エレガントなのにガシガシ履けるという黄金バランスは唯一無二。17万6000円(ジェイエムウエストン 青山店)
①オンオフ問わないほんのり丸みのあるトウ
ほどよくぽってりとしたフォルムに鋭角なモカ縫いを組み合わせることで、ドレスとカジュアル、双方に馴染む懐深〜い顔つきに。ステッチングの美しさも、優れたオンオフ兼用力の源泉。
②最高品質の“ボックスカーフ”
同社は靴好きの間でも素材のよさに定評あり。今作には仔牛の皮をクロム鞣しで仕上げた極上カーフを採用している。とにかくキメ細かく、お手入れすれば品よく、美しく育つのが特徴だ。
③シンデレラフィットをもたらす豊富なウィズ
ウィズ(足囲)というのは、親指の根元と小指の付け根までをぐるりと一周測った長さのこと。同社は代表作における豊富なウィズ展開でも有名。今作では幅の異なる4つのウィズを用意。
④耐久性&グリップ力に富むラバーソール
“JM”の文字が組み込まれた独特のパターンでお馴染みのオリジナルの“オールテランラバーソール”は、丈夫であるかつ防滑性◎。長時間履いても疲れにくく、ビギナーフレンドリー。

【J.M.WESTON(ジェイエムウエストン】
Since1891
革加工の歴史が深いフランス・リモージュ地方でエドゥアール・ブランシャール氏が創業。息子のユージェーヌ氏が米国ボストン近郊のウエストンでグッドイヤー製法を学んだことが名の由来。要たる“素材”と“仕立て”に入魂し、「既製靴の最高峰」とも称される。
ちょっと何言ってるかわかんない解説
【ソール用レザーを専門に鞣すタンナー〜】
1981年に、創業地リモージュ近くに居を構えていた実力派タンナー「バスタン」を、ジェイエムウエストンが引き取ることに。これによって天然素材を使い、長い年月をかけて労を惜しまず鞣される、最高品質のソール用レザーを安定的に入手することが可能に。ちなみにソール用レザーのタンナーを自社で所有するシューメーカーは、世界広しといえどわずか数社!
【#641】
つい深読みしがちだが、実はモデル名の数字には特別な意味はないんだそう(苦笑)。ただ通なら数字を見ただけで何のモデルか判別可能。博識ぶりたいなら、「ゴルフ #641」と並ぶ名作「シグニチャーローファー」の“#180”も頭に叩き込んどくべし!
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[ビギン2025年9月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。