19年モノ！　バズリクソンズタイプL-2B　ご長寿傑作モノ図鑑　vol.14

ご長寿傑作モノ図鑑

機能性に優れ、流行にとらわれることなく使うことのできるモノ。長年にわたって使用することで味が出て、さらに愛着が湧いてくるのが傑作品たるゆえんってワケです。そんな持ち主の愛情がにじみ出たご長寿傑作品をご紹介！

この記事は特集・連載「ご長寿傑作モノ図鑑」#14です。

ご長寿傑作品図鑑

19年モノ

バズリクソンズタイプL-2B

　バズリクソンズ
タイプL-2B

東洋エンタープライズバズリクソンズ企画総括
亀屋康弘さん

ミリタリー全般に造詣が深く、1993年のブランドスタート時から企画に携わる。経年変化する服を愛し、シャンブレーシャツ＆ジーンズ＋フライトジャケットが定番。

「当時のナイロン生地を分析し、
ヴィンテージ同様の褪色を実現」

「中綿が入っていないため、3シーズン着用可。ダブルフェイスの裏地に使ったレーヨンウールは保温性や吸湿性に優れ、思った以上に快適な着心地です」と話す亀屋さん。MA-1の陰に隠れてしまい、なかなか日の目を見る機会に恵まれないL-2Bですが、アメカジのアイテムとして楽しむなら、断然コッチがおすすめです。

バズリクソンズが復刻したのは1950年代後半に登場したL-2Bの初期型で、ヴィンテージ市場では貴重なモデル。ツウ好みなクラウン社のスプリングカムロック式ジッパーも再現され、エイジングを楽しむのにぴったりの題材といえるでしょう。

バズリクソンズタイプL-2B

1950年代当時に製作していたアメリカのインクメーカーに特注したという左肩のステンシル。着用による擦れ方もヴィンテージのような雰囲気。

「購入してから数年間は3シーズンはほぼ毎日着用。その後の着用頻度も高く、袖口のリブには穴が開いてしまいました」と言いますが、身頃や袖のナイロン部分は見事なまでに渋く褪色し、スナップボタンのペイントは剥げて鈍い輝きを放ちます。実は「当時の実物のナイロン生地を分析し、同じ染色方法で染めて織り上げた生地を使用しています」とのことで、長期間にわたって浴びた太陽光によって、ヴィンテージと同様に色が変化しているのです。

「初めてL-2Bを作ったときは苦労の連続。ヴィンテージと同じダブルフェイスの裏地を織り上げるために、織るための機械を作ることから始めなければいけませんでした」という思い出があるからこそ、愛着もひとしおなのかもしれません。

現行品はこちら

Lot No.BR11132 タイプL-2B
こちらも1950年代の初期型がベース。素材をはじめディテールも長寿モノを踏襲。