バーンストーマーのドレスチノはＳ字カーブが生命線！

なんといってもパンツはシルエットが命。では、ファッション業界に名を轟かせる名作パンツのシルエットはいかに生まれたのか？ ビギンはパンツ名人と名高いドメスティックブランドのデザイナーへ取材を敢行。日本人の体型を美しく見せるシルエットの秘密を明らかに！

脚のラインをキレイに見せる魔法の曲線

「穿き心地はゆったりしているのに脚がスラッと長く見える」。有力ショップのバイヤーたちがこう絶賛するのが、2014年に復活したバーンストーマーの「ドレッサブルチノ」。’60～’70年代日本のアイビーシーンを牽引した伝説ブランドのDNAを受け継ぐ“大人チノ”の名作です。

デザイナーの海老根さんいわく、美シルエットの秘密は独自の「カーブ」にあるのだとか。たしかに横から見ると、フロントからワタリ、膝にかけてS字の曲線が見て取れます。

「サイドのふくらみを減らすため、側面の生地も内側に寄るようにアイロンでクセをつけているんです。そのため、置いた状態だとタックがカーブしているように見えまが、穿いて立ったときには真っすぐストンと落ちるよう計算されています」。

つまりこのカーブは穿き心地にも美脚シルエットにも貢献しているんです。さらにパターンにも秘密が。

「日本人の体型に合わせて立体感を追求すると、パーツ間に隙間ができてしまう。そのため、腰や股の部分には切り替えを設けているんです」。

テーラードの技法が駆使された美シルエット。まさしくパンツ専業ならではでしょう。伝説ブランドのパンツが再び服好きを魅了します。

体に寄り添うカーブのおかげで、腰回りすっきり！

ベーシックを地で行く完璧シルエット

サニーレーベルのシャツ7400円（アーバンリサーチ サニーレーベル グランツリー武蔵小杉店）　レイバンの眼鏡2万2000円（ミラリ ジャパン）　オールデン×ビームス プラスの靴8万4000円（ビームス プラス 原宿）

バーンストーマーのドレッサブルチノ

「大人が穿けるカジュアルパンツ」というブランド哲学を表した看板モデル。やや深めの股上とテーパードシルエットが特徴で、こちらはパラシュートクロスを使用した新作。仕立ては東北のスーツ工場が担当。1万6800円（HEMT PR）

バーンストーマー／BARNSTOMER
デザイナー 海老根紋郎さん

現代に蘇った伝説のアイビー

1971年東京生まれ。フリーデザイナーとして活躍後、2014年に父が設立したバーンストーマーを復活させた。同ブランドは1977年に設立され、アイビー世代から絶大な人気を誇ったパンツ専業ブランド。

※表示価格は税抜き

［ビギン2018年7月号の記事を再構成］
写真／大嶽恵一、穂苅麻衣（BOIL）　上野 敦、船元愛美（プルミエジュアン）　小尾淳介　文／いくら直幸　秦 大輔 　黒澤正人　桐田政隆　トロピカル松村　押条良太（押条事務所）　今野 壘　宮嶋将良　吉田 巌（十万馬力）　礒村真介　スタイリング／武内雅英（CODE）　ヘアメイク／TOYO（Bello）　イラスト／TOMOYA　daisketch