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OZEKI PENDANT LIGHT

多様性を持っている、すごい照明だと思います

日本的な要素のものは世の中にたくさんあるけど、このAKARIシリーズはそれだけにとどまらないアーティスティックさがあると思ってます。もちろん日本らしさも感じるデザインで、それでいてモダン。始まりは、1951年にイサム・ノグチさんが日本で出会った民芸の岐阜提灯がきっかけだったそうです。

でも、そもそも彼は彫刻家。ここで挙げているのはベーシックな丸型なんですが、過去の展覧会の写真なんかを見ていると、バケモノみたいな大きさの変わった形もあったりする。

庭園美術館(香川県にあるイサム・ノグチ庭園美術館)とかでは今も彼の彫刻作品やデザインしたモニュメントを見ることができるけど、このAKARIはそれが家の中で、より身近に楽しめるような感覚があるんですよね。和紙から透ける光って柔らかくて幻想的だし、ちゃんとライトとしても機能してる。

有機的なデザインが日本的な空間にももちろん合うし、海外の家具とのマッチングもいいしで、そういう意味でも理に適っていますよね。多様性を持ってる、すごい照明だと思います。

イサム・ノグチさんはアメリカと日本、両方にルーツがありますけど、僕ら日本人もデニムだとか、食べ物だったらカレーだとかが好きじゃないですか? そういう違う国で生まれたものや価値観を編集したり、組み合わせる能力はすごく日本らしいなと思います。このAKARIを見ると、やっぱりこういうものが残っていくんだなぁと、改めて実感します。(南 貴之)

「うすあかり みそかに和紙を 通りけり」

OZEKI PENDANT LIGHT

BRAND:OZEKI
ITEM:PENDANT LIGHT
AGE:UNKNOWN

型の上から芯となる竹ひごを巻いて成型し、その上に和紙を張っていくという、伝統的な岐阜提灯の製法を踏襲してつくられる照明シリーズ“AKARI”。実に、200型以上ものバリエーションが存在する。本人私物。

DETAIL

OZEKI PENDANT LIGHT

経年変化した和紙はムードのよさも格別。生産から数十年が過ぎても実用品としての機能を損なわない、優れた耐久性に日本の伝統的なものづくりの叡智がうかがえる。

 

今買える![AKARI]

AKARI

ここで紹介している球形は現行品でも人気のデザイン。美濃和紙を通した優しい光が、見る者の気持ちをほっこりさせてくれる。Φ45cm。コード長100cmのペンダント器具が付属。1万7200円(ディアンドデパートメント)

南 貴之

南 貴之

1976年生まれ。国内外のブランドのPR業をはじめ、型にはまらず活動。公私混同しながら世界中のマーケットを巡り、日々新たな良品を探している。

 


[ビギン2020年10月号の記事を再構成]写真/若林武志 文/今野 壘

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