2022年に売れた「革靴」ベスト7
円安云々の強固な厳しぃ~ディフェンスに屈せず、昨年もビギンは皆さまに賢く&楽しい買い物得ネタを届けてきました。「本当にいるものしかいらない」ってな時代だからこそ、我々の声に耳を傾けてもらいたい。ってことで「2022年に売れた革靴」をランキングにまとめてみました。イイトコどりの情報をギュッと凝縮しております!!
1位:クラークス オリジナルズのワラビー
常に品薄状態が続いた歴史的ヒットを称えて
ダーウィンの進化論にもあるとおり、生物の世界では環境に適応したものが繁栄します。有袋類のワラビーはお腹で子どもを育てることで……っていやそんな話をしたいわけじゃございません。したいのはクラークスのワラビーが2022年、日本で過去最高となる売れ行きを記録=大繁栄したって話!
思い返せば、一時期はどのお店でも完売状態。街でお洒落さんが履いているのをよく見掛けたし、人気っぷりは肌身に感じましたよね。でもなぜ今更、空前のブレークとなったのか?
要因には、長いスニーカー人気の反動が挙げられるでしょう。80年代や90年代半ばもそうだったように、「楽チンは捨てがたいが新鮮な一手が欲しい」となれば、足は自ずと“スニーカー以上、革靴未満”のワラビーへのびるのです。
もう1つの要因が、新時代を象徴するセットアップとの相性のよさ。従来よりドレスコードが緩くなったことで相対的にワラビーのドレス性が増し、活躍の場を広げた点は見逃せません。
またテック系トレンドの例に漏れず、ゴアテックスを纏った新生ワラビーがヒットしたのもトドメの要因。つまりファッションを取り巻くあらゆる環境が、ワラビーの繁栄を後押ししたってわけ。
結果ダーウィン風にまとまりましたが(笑)、仕事に休日に無尽蔵の活躍を見せてくれたワラビーが、今日における靴の覇者であることに疑う余地はナシ。ヘビロテへの感謝も込めて、第1位を進呈いたします!
クラークス オリジナルズ
ワラビー
クラシカルな顔つきをキープしながら、ゴアテックスの搭載により全天候型のシューズへ進化を遂げたワラビー。軽量&クッション性に優れるビブラムソールの搭載も、365日の快適をサポートする。3万3000円(クラークス ジャパン)
スニーカー以上、革靴未満。令和の“ちゃんと見える”正解
カジュアルな服装には大人っぽさを、かっちりした服装には程よい抜け感を添えてくれる、いわば“スニーカー以上、革靴未満”な中庸さがワラビーのよさ。同じく中庸的なセットアップとの相性は抜群で、程よい脱力がモノをいう今日のドレス気分に実によくマッチする。
いつものデニムコーデをさらりと大人っぽく
セットアップとの好相性もオスミツキ!
[カジュアル結婚式でもカブりましたw]
スニーカーOKのカジュアルな結婚パーティに編集部員がお呼ばれしたときの話。OKと言われているとはいえさすがに社会人として気がひけた結果、見事にカブりまくったのがワラビーでした。ワラビーの万能性を象徴するエピソードですな。
過去最大の大ジャンプ!!
ゴアテックス版の人気も飛躍に繋がりました
クラークス オリジナルズ プレス担当 PR01.
宮崎翔太さん
2022年はクラークス オリジナルズ全体で、前年の約130%と、史上最高の売り上げに。年間通して続いたワラビー人気に加えて、ゴアテックス版が新定番として認知されたのも要因ですね。
(GORE-TEX/ゴアテックス)
×SHIPS
セレクトショップ別注も好調!!
コンフォタブルな履き心地にファンの多い「デザートトレック」にも、2022年はゴアテックス版が登場。ボア付きサンダルの「トレックミュール」も人気に。上/3万3000円、下/2万8600円(クラークス ジャパン)
2位:パンダ・バス
玄人も御用達カラーがトレンドカラーに転生
22年は北京五輪で愛らしいマスコットパンダ、ビン・ドゥンドゥンが話題になりましたが、ビギン的にバズったパンダといえば断然こっち! カリスマスケーター、ジェイソン・ディルの着用姿が拡散したことで、Z世代の間でも老舗バスのパンダカラーローファーが大BUZZり。
色モノっぽいけど、その昔かのフレッド・アステアも白黒靴を履いてたり、実はトラッ度も高く、通ウケも抜群でした。
BUZZ
ローファーの生みの親ともいわれる名門G.H.バス。今作は定番「11010」のクッション性を大幅に向上させた“ヘリテージモデル”の一足。2万9700円(ジーエイチバス トウキョウ)
3位:レッドウィングの6インチ クラシックモック
“肉球”が如き履き心地に感動!
“履き込むほどに足に馴染む”あの感覚もイイけど、最初からソフトな履き心地が享受できるなら最高じゃん!ってわけで、新たにラインナップされた#1907のぷにっとしたインソールの着地感に感動した人も多いことかと。
見た目は定番とほぼ変わりませんが、実はコチラ、インソールを入れても窮屈にならないようラストから開発したモデル。いわば肉球を纏いしアイリッシュセッターってわけ♡
本国では前からあったという#1907。インソールの厚みの分、木型は余裕のある45番ラストを使用。当然、インソールを抜いても履ける。4万7080円(レッドウィング・ジャパン)
インソールが一枚あるとないとで大違い
4位:パラブーツのティエール スエード
2022年、ようやく日の目を見ました(輸入代理店・談)
1位に輝いたワラビー然り、モカシンが2022年の足元の新鮮力だったというのは広く認めるところ。パラブーツでは、そのポテッとした顔立ちから長らくおじさんのウォーキング靴的扱いだったティエールが突如ブレーク。近年のポッテリ気分にもマッチし、野暮ったさがむしろイイ!と一躍イケおじ的存在に。
継続展開になる黒の表革も売れましたが、新登場だったスエードアッパーが人気を牽引!
履き口にクッションが入ったコンフォート仕様。ベージュや紺の、上品なスエードアッパーが好調だったとか。マッケイ製法で価格が控えめな点も◎。4万7300円(パラブーツ青山店)
おじパラが「イケおじ」に!
スエードを縫って俄然上品顔に
5位:クロケット&ジョーンズのヘンドン
靴好きの皆さん、ホントもう目ざといんだから♪
2022年春から販売していたというこちらのモデルは、ビギンで紹介後、オーダー急増という嬉しい反響が。瞬く間にサイズ欠品が続き、2週間で完売御礼!
不動の人気を誇る米国スタイルのローファー「ボストン2」と同じ376ラストを使用しつつ、ビット付きデザインにアレンジした福岡の名店フレームの別注アイテム。小粋なアレンジに多くの靴好きがビビッときた模様です。
いったん完売したものの、多くの問い合わせを頂戴したため、急遽英国の本社に再オーダーを敢行。ラバーソールは近年最も支持率の高い薄型のシティソールだ。9万5700円(フレーム)
ビビッと即完!
6位:スノビストのグルカサンダル
徳島発の高コスパ、履けば絶対納得します
下駄の名産地として知られた徳島県。その気鋭靴工場がグルカを手掛けると、海外の老舗顔負けの高品質に!
厚さ2mm、姫路レザーの一枚革を使ったアッパーはインパクトもトップクラス、なのに税抜き1万円ぽっきりという超・超・高コスパです。
勝負は下駄を履くまでわからないと言いますが、こりゃ名作靴の勢力図に影響を及ぼしかねないほどの存在感。まだ体感してないのなら、今年こそはぜひ。間違いなく、買って得しますので!
堅実買いの新潮流
スノビストはレザー製品を得意とするジャパンブランド。フットベッドはフッカフカの上に抗菌作用まで備えている。ヒールストラップを上げてスリッポンとしても着用できる。反響に応えて、今年は新色も追加との噂も!?
(SNOBBIST/スノビスト)
7位:オールデン×ラコタハウスのVチップ
価格だけじゃない山羊革の魅力が◎
ようやくスニーカーブームが落ち着き、2022年はクラークスがバカ売れ、そして次はとうとう本格靴復権か!?とビギンでは世論に先駆け本格靴を調査。そんな中で見つけたのが、ラコタハウス別注モデルの本作。
アッパーを定番のコードバンではなく、生後1年未満の山羊革=キッドレザーにしたことで足当たりが柔らかくなり、値段もお手頃に♪ ヴィンテージ風味が薫る繊細なシボもこの素材ならでは。ビギンで紹介後、瞬く間に完売と相成りました。
モディファイドラストのVチップのアッパーをキッドレザーに替えて別注。残念ながらすでに完売。噂によれば2023年も同素材の発売があるとかないとか……。吉報を待て!
高級感ある山羊革ながらコードバンより断然お手頃!
※販売状況は22年12月時点の情報です。
※表示価格は税込み
[ビギン2023年2・3月月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。