写真家 森 万恭さんをめぐる、これからのシン・スタンダードとは #089
「無造作に掛けておくだけで様になるミリタリーブランケットに萌える」
写真家 森 万恭さん
自宅を改装するにあたり軽作業用のシートを探していたところ、イギリスのヴィンテージ家具の業者がミリタリーブランケットを梱包や養生に使っていたのを思い出したんです。
日本の引っ越し業者が使う青いキルトパッドは萎えるけれど、軍モノ毛布は萌える。そこでインテリアと調和するブランケットをネットで探し、米国・ロスコ社製のスイス軍ブランケットに辿り着いたんです。
じつに多用途で、塗装するときや工具を使う際の敷物に、家具を動かすときの養生にと大活躍。二つ折りにしてゴロンと寝転がり、ストレッチをすることもあります。ヨガマットのように丸まり癖がつかず、インテリアを邪魔しないのもいいですね。
静物写真を撮るときは、グラスなどの背景に使うと質感差がアクセントになるし、椅子に無造作に掛けておくだけでも様になります。ただし、放出品のブランケットほどではないものの、未脱脂ウールのニオイが少し気になるんですが、わざわざ重曹で消臭するほどのものではないので、そのまま使っています。
アナログ写真からは一度離れましたが、数年前より自宅に暗室を設け、フィルム現像と手焼きプリントを始めました。現在は時間の許す限り作品製作を行っています。
近々、暗室拡張のために特注した大型シンクや引き伸ばし機台が届く予定。その設置時にもこのブランケットが活躍してくれそうです。
ROTHCO[ロスコ]
スイス軍ブランケット
スイス軍ブランケットのレプリカ。保温性や難燃性に優れたウール×ポリエステルで、幅広い用途に使える。サイズ約158×203cm。Amazonでの実勢価格は4500円前後(編集部調べ)とリーズナブルなところも魅力だ。
写真家
森 万恭(もりかずやす)
1957年生まれ。ファッションへの造詣を生かして多数のブランドを立ち上げ、ドレステリアなどのディレクターとして活躍。現在は写真家として銀塩プリントを制作する傍ら、服や家具のデザインも手掛ける。
※表示価格は税込み
[ビギン2022年11月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。