特集・連載
コスパが高すぎる!! 浅草&ノーサンプトンの「5万円よくデキ靴」4作
本格革靴会議 「モノを大事に」なサステナ社会だし、物価高で「本当に永く使えるモノ」が欲しいし、「今こそ本格靴が必要!」と強く思うからこその珠玉の革靴100連発。おいそれと買える値段じゃないものも多いけど、だからこそ詳細解説したいワケです。ってことで、初心者もツウも納得する「一生靴」をここで見つけてください! この記事は特集・連載「本格革靴会議」#25です。
コスパが高すぎる“靴の聖地”浅草&ノーサンプトンの
「5万円よくデキ靴」
聖地生まれの本格靴ながら5万円台でオーナーになれる優良品を厳選。モノ作りの背景にも妥協したくないロマン派はぜひ。
編集部員&革博士&スタイリストが認定!
スタイリスト
四方章敬さん
ドレス分野の超敏腕スタイリスト。靴単体の魅力を見抜く力はもちろん、服と合わせたときの未来図も想像できるプロ中のプロ。
ライター
山田純貴さん
ビギン歴約30年の超ベテラン。革やカバン、靴に関する深すぎる知識から、部員&スタッフ一同から神のごとく崇められている。
1【SANDERS】since 1873年 イギリス
5万9400円
SANDERS[サンダース]
B.G.S DERBY SHOE
山田 ラウンドワイドなトウといい、分厚い丸コバといい、アイコニックなトリプルステッチといい、他メーカーにはない個性を感じます。
四方 ストレートチップなのにボリューム感があって、凄く今っぽい。平ヒモやアイレットもカジュアル服との相性を向上させる一因に。
タケイ 昔英国軍の靴を作っていた!という、語れる背景だけで萌えます。いい意味でストレートチップっぽくなく、カジュアルに履けそう。
(グラストンベリーショールーム)
ミリタリー由来のトリプルステッチ
100文字で解説
ウィリアム&トーマスのサンダース兄弟が、ノーサンプトンのラシュデンで設立。1910年代にイギリス軍と軍靴供給契約を結び一躍ブレイク。現在まで5世代にわたって良心価格&質実剛健な靴を作り続ける、同地の良心。
2【BARKER】since 1880年 イギリス
4万9500円
BARKER[バーカー]
4610DW
山田 トップウォールもヒールカップも小さめだったり、外から内へとグッと押さえてくれる木型を採用していたり、見た目だけじゃなく履き心地にも妥協なく作っていることがわかります。
四方 ノーサンプトン製らしいザ・ブリティッシュな顔つき。ダブルスーツなど上品なスーツと合わせることでドレススタイルの格上げが適う!
タケイ パッと見で“高い靴”とわかっちゃうくらいオーラがある。滅多に機会がないけれど、スーツを着て少し背筋を伸ばしたいときには、相当頼りになってくれると思います。
(伊勢丹新宿店)
“脱げにくい”と“エレガント”を両得するヒールカップ
100文字で解説
1880年の創業以来、堅牢なグッドイヤー・ウェルテッド製法を駆使しながら、フレンドリープライスも堅守し続ける、我らが味方。150人近い職人たちの手作業による、ザ・ブリティッシュなドレス靴作りに定評あり。
3【RENDO】since 2013年 日本
5万9400円
RENDO[レンド]
GB001
山田 外羽根と一体の腰革との切り替えが直線的かつその腰革が後方まで伸び、両端をヒールカップのインサイドではぎ合わせるという仕立てが、極めてユニーク。踵抜けを防ぎつつ、デザインとしても生かす秀逸な仕立てだと思います。
四方 他の王道Uチップに比べてラストが細めなので、ドレススタイルとも相性がいい。
タケイ モカ部分の縫製が明らかにキレイ。素人目にも丁寧に作られているのがわかります。
(レンドシューアンドリペア)
一切の破綻がない精緻なステッチワーク
100文字で解説
浅草の自社アトリエでラストを作り、国内の実力派ファクトリーに製作を依頼する、生粋の浅草ブランド。膨大な足形の採寸データを基に、日本人の足の特徴を踏まえて設計されたラストは、ストレスフリーな履き心地。
4【WHEEL ROBE】since 2010年 日本
5万600円
WHEEL ROBE[ウィールローブ]
#15050 ALGONQUIN
山田 本家オールデンのVチップが“のせモカ”という仕様なのに対して、本作は内縫いの“合わせモカ”で仕立てられているため、よりドレッシーな顔つきに。でいてホーウィン謹製のクロムエクセルが使われていてワークっぽい雰囲気もあって、かなりユニーク。
四方 ドレスに寄りすぎないバランス感が絶妙。カジュアルでも合わせやすく、デニムとの相性は抜群です。
タケイ 靴のデザインと革の表情のギャップが面白い。
(トライ・アップ)
エレガントな合わせモカ仕立て
100文字で解説
2010年の設立当初は米国の工場にて生産していたが、2014年からは浅草の工場に製作拠点を変更。モットーは“修理を重ねて何年、何十年と履ける靴”。ホーウィン社のクロムエクセルを使用したタフな靴は靴好きにも好評。
※表示価格は税込み
[ビギン2022年10月号の記事を再構成]スタッフクレジットは本誌をご覧ください。