ザ・ノース・フェイス パープルレーベルを100%体現する【65/35マウンパ】完全GUIDE

ここ数年アウターと言えば、ユル〜く羽織れるロングコートに人気が一局集中。猫も杓子も状態が続いていましたが、それもようやくひと段落。そんななか、今改めて新鮮に映るのがマウンテンパーカ。そう、何十年も前から親しまれてきた不動の定番です。……が、このクラシカルなアウターは、トラッドやアウトドアへと回帰したくなってきた流れを受けてか、不思議と手を伸ばしたくなるアイテムとして、服好きから再びジワジワ熱視線が注がれ始めています。

(左)65/35 マウンテン パーカ/3万6300円。(右)65/35 ビッグ マウンテン パーカ/3万8500円。

そしてまさしく、そんなマウンパをブランドの基軸に据えているのが、ザ・ノース・フェイス パープルレーベルです。2003年のスタート時から一貫して追求し続けてきたのは、“都会で機能するアウトドアウェア”。今でこそ“アーバンアウトドア”というスタイルが浸透していますが、同ブランドはまだ市民権を得ていなかった時代から、このマウンパを名刺代わりとして、新たな分野を切り開いてきました。ここでは、同ブランドの2種類のマウンパを、ガッツリ解説していきます。

【HISTORY】
65/35ベイヘッドクロスを
まずは100%理解しよう!

ザ・ノース・フェイス パープルレーベル MD 遠藤誠也さん/プレスを経て、現在は商品企画を担当。ザ・ノース・フェイスのアーカイブと、最先端ファブリックの双方を深掘りし、在りし日の面影を残しながら現代的な機能を有する、最大公約数を導き出す同ブランドのキーマンだ。

同ブランドはなぜマウンパを看板に掲げているのか。それは“都会で機能するアウトドアウェア”の理念を、最も忠実に体現しているからこそ。そしてその代名詞のマウンパを語る上で外せないのが、“65/35 ベイヘッドクロス”です。言わばこの素材こそが、アーバンアウトドアの原点にして理想形。遠藤さんにその特徴を改めてお聞きすると、「これは糸の紡績段階でポリエステルを65%、コットンを35%混紡して高密度に織り上げた素材のこと。65/35 ベイヘッドクロスは70年代から使用されていた、ザ・ノース・フェイスのアーカイブにおいても先駆的な機能素材です。

50年近い歴史を持つ素材というのは驚きですが、なにも“伝統的”ということだけが魅力ではないんだとか。「軽くて速乾性に優れるポリエステルと、摩擦に強く風合い豊かなコットンの両方の特性をいいとこ取りしているのが、最大の特徴。耐久性に優れるうえに、肌触りや表情がコットンライクで、着込むほどにスレやアタリなどのアジが出て、自分色に表情が出るのも魅力です。ナチュラルな雰囲気で街に馴染みやすいけれど、アウトドア由来の機能も宿している。これこそまさにザ・ノース・フェイス パープルレーベルが目指すアーバンアウトドアに相応しい素材なんじゃないかと思います」。

さらにはっ水加工も施しているため、より活躍するシチュエーションが多彩に。「アーカイブに残る名作に今の時代感を取り入れて、よりタウンユース向きに落とし込むのがザ・ノース・フェイス パープルレーベルの十八番。定番のマウンパも、ザ・ノース・フェイスが70年代にリリースしたマウンパをそのまま再現するのではなく、シルエットやディテールに趣向を凝らして、外見的にも機能的にも現代にマッチするように仕立てています。そんななかでこの“65/35 ベイヘッドクロス”は、クラシカルな素材にも関わらず、普段着として楽しめるジャストな機能が詰まっている。だから今も変わらずブランドのど真ん中に位置するマウンパに使われ続けているのです」。

【DETAIL】
定番マウンパとBIGマウンパ
微差こそ大差をしっかり覚えよう



定番のマウンパに加えて、新たにビッグマウンパが仲間入り。まず前者の裏地は表地と同色なのに対して、後者はツートーンに。さらにシルエットにも違いが。前者に比べて後者は身幅にしてなんと15cm以上ビッグ! それに合わせて、ベースとなる定番マウンパの黄金比率を崩さないよう、要所の長さ&太さが調整されています。表地と裏地は共通で、表地には“65/35 ベイヘッドクロス”を、裏地にはリサイクルポリエステルリップストップとリサイクルポリエステルエンボスタフタが配されています。

MUST BUY!

65/35 マウンテンパーカ/70年代にザ・ノース・フェイスがリリースしていたマウンパをベースに、シルエットやディテールをテコ入れし、現代的な姿にリボーン。定番素材の“65/35 ベイヘッドクロス”を使い、はっ水加工を施して実用性を高めつつも、4つのフラップポケットをはじめとする特徴的な意匠は継承している。4色展開。各3万6300円。

65/35 ビッグ マウンテンパーカ/素材使いやベースデザインなど、基本的なスペックは定番のマウンパと同じ。だがシルエットを大胆にビッグ化することで、より今の時代感を捉えることに成功。小難しいテクニックを駆使せず、フツーに羽織るだけ〜♪で旬度の高いコーディネートが実践できるのが強み。5色展開。各3万8500円。

【STYLING】
アーバンアウトドアの間違いない!
STYLING STORY

自然を求めて旅に出なくても、マウンパを羽織って公園を散策するだけで、気分はリフレッシュ。アーバンアウトドアスタイルが、きっと日常生活を豊かにしてくれるはず。




BDシャツ×チノという、ごくごく普遍的なコンビの上に羽織るだけで、ご覧の通り。古きよきアメカジスタイルもフレッシュに。特別な趣向を凝らさなくても、こうした奥行きのあるスタイリングにまとめられる懐の深さこそ、定番マウンパの強みかもしれません。
ザ・ノース・フェイス パープルレーベルのコットン ポリエステル OX B.D. シャツ1万8700円。同ストレッチ ツイル ワイドテーパード パンツ1万8700円。同フィールド レンジャー モック2万9700円。




スウェットにリジッドのストレートジーンズ。足元はオールデンのカーフVチップという、王道のアメカジスタイルとも、当然馴染みよし。ワイドパンツ等との合わせによるストリートテイストを敬遠したい大人が取り入れたい、高度で真似しやすいグッドスタイリング。
ザ・ノース・フェイス パープルレーベルの10oz マウンテン クルーネック スウェット1万6500円。同7oz H/S ポケット T7700円。同デニム ストレート パンツ1万9800円。オールデンのシューズ11万4400円(ラコタtel03-3545-3322)

ザ・ノース・フェイス パープルレーベルの公式HPをチェック!

問い合わせ先/ナナミカ マウンテンtel03-6416-3012 Instagram
写真/竹内一将(Ye) スタイリング/近藤有倫 文/黒澤正人 ヘアメイク/北村達彦 イラスト/TOMOYA 編集/増井友則(Begin NEWS)