小径ホイールの革命的自転車だったアレックス・モールトンは今!?
過去30年を振り返れば、一時期ビギン誌上を大いににぎわせたものの、近頃すっかりご無沙汰なブランドもいろいろあって……。ということで、ことに懐かしくも忘れがたい5ブランドを厳選し、かつて人気だったその理由を復習しつつ、近況をリポートいたします! 今回のブランドは、小径ホイールの革命的自転車だったアレックス・モールトンの今です。
’92-’00
Beginで自転車といえばモールトンでした!
小径自転車の先駆的存在で、英国の故アレックス・モールトン博士が1962年に開発。高圧タイヤの小径ホイールと、すぐれた操安性&快適性をもたらす高性能サスペンションを最大の特徴とする。その乗り心地はシルキーライド、すなわち絹のような滑らかさ。これに魅せられたビギンは誌面で猛プッシュ。当時のスタッフには、思わず自腹購入した者も!
そして現在は!
中古の高額な取引価格が高品質な一生モノの証です
一生乗れる実用自転車として愛され続けています
今も原宿あたりでは、ショップスタッフが街中移動でコレに乗る姿を目にします。ブレイクしたのは25年ほど前。当時は異形だった小径自転車は見た目ラブリーゆえ、ファッション界でも大ウケでした。「それまで高級自転車といえばイタリアのロードレーサーでしたが、モールトンは街中で乗れる高級自転車ということで人気でした。じつは今でもファンは多く、中古市場では古い個体ほど高額で売買されたりするんですよ」と富成さん。 もちろん見た目の魅力のみならず、小径ホイールながら独自のサスペンションで乗り心地も最高。考え抜かれた設計や作りのよさで飽きさせることもない。と、アレックス・モールトンは、じつに奥の深〜い一生乗り自転車なのです。
最新モデルは高品質、かつお買い得です!
「SST-FX」は、モールトンのライセンス生産を行う英・パシュレイの工場で作られた「TSRシリーズ」のフレームに、モールトン本社が手を加えて細部を高級化させた新作。フレームキット26万5000円(写真の仕様は約38万円)。
ダイナベクター富成次郎さん
同社取締役。モールトンの取り扱いを始めた’84年から自身も愛用。今も毎日、片道15kmの通勤で乗っているが「全然疲れない」とのこと。
(問)ダイナベクター
TEL.03-3861-4341
http://www.dynavector.co.jp/am/
※表示価格は税抜き
[ビギン2017年11月号の記事を再構成]
写真/若林武志 植野 淳 上野 敦(プルミエジュアン) 竹内一将(STUH) 久保田彩子 文/吉田 巌(十万馬力) 黒澤正人 山田純貴 間中美希子 宮嶋将良(POW-DER) 星野勘太郎 黒澤卓也 編集部 スタイリング/武内雅英(CODE) 佐々木 誠 鈴木 肇 ヘアメイク/北村達彦 TOYO(Bello)